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08月30日-03号

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  1. 塩尻市議会 2022-08-30
    08月30日-03号


    取得元: 塩尻市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-04-26
    令和 4年  9月 定例会          令和4年塩尻市議会9月定例会会議録                 第3号---------------------------------------            令和4年8月30日(火曜日)---------------------------------------               議事日程(第3号)                       令和4年8月30日午前10時00分開議第1.一般質問                  17番 柴田 博君                  6番 篠原敏宏君                  12番 山口恵子君     ------------------------------◯出席議員(15名)    1番  牧野直樹君             2番  樋口千代子君    3番  赤羽誠治君             5番  小澤彰一君    6番  篠原敏宏君             7番  中野重則君    8番  横沢英一君             9番  西條富雄君    10番  青柳充茂君             12番  山口恵子君    13番  古畑秀夫君             15番  中村 努君    16番  丸山寿子君             17番  柴田 博君    18番  永田公由君◯欠席議員(なし)◯欠員(3名)     ------------------------------◯説明のため出席した者 市長          小口利幸君   副市長         米窪健一朗君 教育長         赤羽高志君   代表監査委員      高砂礼次君 総務部長        青木正典君   企画政策部長      高砂進一郎君 市民生活事業部長    大槻正弘君   健康福祉事業部長    百瀬公章君 産業振興事業部長    古畑久哉君   産業振興事業部長    上條吉直君 (産業政策・先端産業振興・観光担当)  (農政・森林担当) 建設事業部長      細井良彦君   生涯学習部長      胡桃慶三君 こども教育部長     太田文和君   水道事業部長      塩原恒明君 会計管理者       徳武 勝君   秘書広報課長      塩原清彦君     ------------------------------◯事務局職員出席者 事務局長        小松秀典君   事務局次長       小澤秀美君 事務局係長       酒井千鶴子君     ------------------------------            本日の会議に付した事件議事日程(第3号)記載事件のとおり                              午前10時00分 開議     ------------------------------ ○議長(牧野直樹君) 皆様、おはようございます。 ただいまの出席議員は15名で定足数を超えておりますので、これより本会議を再開し、直ちに会議を開きます。 お手元の議事日程により議事に入ります。     ------------------------------ △日程第1 一般質問 ○議長(牧野直樹君) 日程第1 昨日に引き続き、一般質問を行います。 17番 柴田 博さん。 ◆17番(柴田博君) 〔登壇〕 日本共産党の柴田 博です。一般質問をさせていただきます。 1.市長の政治姿勢について。 (1)旧統一教会問題について。 安倍元首相の銃撃事件を機に自民党と旧統一協会、現在の名称は世界平和統一家庭連合というそうでありますが、この自民党と旧統一協会の癒着の深さや被害の大きさが改めて浮き彫りになっています。日本共産党は、統一協会という表記についてでありますが、宗教の「教」ではなく、協力の「協」という表記を使っておりますのでお願いいたします。 この旧統一協会は、霊感商法などで消費者被害を拡大している反社会的カルト集団であります。統一協会への批判に対し、信教の自由を侵すとか宗教弾圧だという声もあります。しかし、宗教団体であっても、人々に害を及ぼす団体が法に問われて取締りを受けることは当然のことであります。宗教か否かに関わりなく、市民の安全な生活を脅かす場合には、取締りを受けるのは当然のことであります。にもかかわらず、統一協会は摘発を免れ、勢力を伸ばし、極めて大きな被害を出しています。なぜ統一協会は摘発を免れているのでしょうか。そして今でも存続し、被害を出しているのでしょうか。それは政治的な力が働いた結果だと言われています。 岸田内閣の複数の閣僚は、選挙支援を受けたことや関連団体のイベントで挨拶したことなどを認めています。多くの自民党議員が当団体関係メディアで紹介されていることも明らかになっています。自民党と旧統一協会が深く広く結びつき、持ちつ持たれつの関係を築いてきたことに疑問の余地はないと言います。このような事実について、市長はどのような感想をお持ちでしょうか。お聞かせください。 また、9月上旬の予定を急きょ前倒しして、岸田首相は内閣改造と自民党役員人事を行いました。岸田首相は、統一協会との関係について厳正に見直すと口にしたものの、新たに8人の閣僚の統一協会との関係が判明し、副大臣や政務官など76人のうち、少なくとも4割を超える33人が関連団体との接点を持つことが明らかになったといいます。ところが、政府は当初、統一協会と閣僚らの関係について、個人の政治活動に関するもので調査を行う必要はないとする答弁書を閣議決定し、真相解明に背を向けておりました。このような内閣について、どうお考えかということについても併せてお聞かせください。 2.新型コロナウイルス感染対策について。 (1)市内の感染状況と市の対策について。 新型コロナ感染症は、さらに感染力の強い変異株への置き換わりの影響もあり、急激な感染拡大の第7波が起こり、医療・介護・保健所などの現場は極めて深刻な危機的状況に陥っています。長野県内でも、8月に入り感染者が3,000人を超える日もあり、感染者の累計は8月28日の時点で16万8,000人を超えています。塩尻市でも100人を超える日もあり、感染拡大が続いています。 質問でありますが、市内の感染者はどのようなところで感染が起こっているのでしょうか。特徴的なことがあればお聞かせください。また、市内感染者の累計はどうなっておりますか。感染拡大第7波から国民の命を守る対策が急務となっておりますが、政府の対応は、有効な対策を取らずに成り行き任せの対応になっていると言わなくてはなりません。そのような中で、市町村の果たす役割は大きいものとなっています。市民の命を守るために、塩尻市として行っている対策についてお聞かせください。 (2)PCR検査、抗原検査などの実施について。 感染拡大に歯止めをかけるためには、いつでもどこでも必要なときに無料のPCR検査、抗原検査などが受けられるような体制が求められています。国や県、市で実施している対策としてはどのようなことが行われているのでしょうか。状況をお聞かせください。また、医療機関が崩壊しないようにとの対策も取られているようですが、市内の医療機関の状況、特に発熱外来の状況はどうなっておりますか。分かる範囲でお聞かせください。 3.物価高騰対策の実施について。 (1)実施状況について。 物価高騰に歯止めがかかりません。7月の全国消費者物価指数は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が前年同月比2.4%上昇し、11か月連続の上昇といいます。年内に物価上昇率は3%になるとの報道もあります。本市でも物価高騰対策として、国の地方創生臨時交付金を活用して生活困窮世帯への支援、子育て世帯への支援、給食費の負担軽減などの実施を6月定例会で可決しております。それらの対策の状況はいかがでしょうか、お聞かせください。 (2)さらなる対策について。 深刻な物価高騰が引き続き住民の暮らしと営業を脅かしており、国や自治体のさらなる支援策が求められています。各地の自治体では、地方創生臨時交付金などを活用して様々な対策が講じられています。青森市では、10月から小中学校の給食費無償化が実現するといいます。全国の中核市で小中学校給食費の無償化は初めてで、本年度分の財源は国の臨時交付金とのことであります。 また、鳥取県では、6月議会で生活困窮世帯へのエアコンの電気料などの光熱費の助成を県内の市町村が実施した場合に、基準額7,000円の半額を県が負担することが決められたそうです。県の決定を受けて、県内19市町村全てで実施することになったといいます。生活保護世帯以外にも住民税非課税世帯児童扶養手当受給世帯なども対象にしています。財源は、多くは臨時交付金を活用していますが、一般財源で行う自治体もあるようです。 本市でも、今後に向けて新たな支援策を行っていく必要があるのではないでしょうか。青森市や鳥取県の取組などをそのまま本市でも実施できるとは考えませんが、さらに物価高騰が続くことが予想される中、電気料や灯油などへの支援策も必要になってくるのではないでしょうか。今後の実施に向け、検討されていることがあればお聞かせください。 農業の分野でも物価高騰の影響が大きくなっています。国は肥料原料価格の上昇を受けて、上昇分の7割を補填する新たな支援策を始めるといいます。支援を受けるには幾つかの条件もあるようですが、具体的な内容や本市にこの制度を活用、適用した場合に、市内の農家の皆さんはどのような支援を受けることができるのかということについてもお聞きする考えでありましたが、先に古畑議員への答弁がありましたので、この質問についての答弁は要りません。 4.マイナンバー制度について。 (1)本市でのカード普及状況と活用について。 2015年に始まったマイナンバー制度も、7年目になります。マイナンバーカードの取得は任意であるにもかかわらず、国は2022年度末までに全ての国民にマイナンバーカードを取得させることを目標にしているといいます。しかし、今年7月時点での全国での交付率は約45.5%にとどまっています。本市での市民のカード取得状況カード取得者の推移などはどうなっておりますか。ホームページでは、マイナンバーカードでできることを住民票などのコンビニ交付健康保険証としての利用、マイナポイントの取得など紹介をしておりますが、それぞれの利用状況はいかがでしょうか。お聞かせください。 (2)マイナンバーカードの保険証としての利用について。 マイナンバーカードを保険証として利用する制度についてお伺いをします。マイナンバーカード保険証代わりに使用させる目的を、国は医療機関が患者の健康保険をオンラインで確認できるようにするためだとしています。ところが、このシステムは現行の保険証でもできることであり、厚生労働省の資料でも昨年10月から今年4月末までの7か月間に保険証での資格確認が約1億3,600万件であり、カードによる確認は約85万件にとどまっており、カードを使う必要性は少ないということのようであります。マイナンバーカードによる受診をごり押しする最大の理由は、とにかくマイナンバーカードを使わせたいということにあるのは間違いないということではないでしょうか。 質問でありますが、カードを保険証として利用して医療機関で受診した場合と健康保険証を利用した場合の自己負担が違うということですが、どのようなことでしょうか。御説明ください。 (3)カード普及率地方交付税について。 国は、自治体ごとマイナンバーカードの交付率に応じて、来年度から地方交付税の算定に差をつける方針を明らかにしているといいます。どのようなことなのでしょうか。また、このことについての市の考えもお聞かせください。 以上で1回目の質問を終了いたします。 ○議長(牧野直樹君) 17番議員の質問に対する答弁を求めます。 ◎総務部長(青木正典君) 柴田 博議員の一般質問にお答えいたします。私からは、1.市長の政治姿勢についての(1)旧統一教会問題についてにお答えいたします。 旧統一教会と政治との関係につきましては、世論調査におきましても、政党や国会議員による説明が不十分であるという声が8割を超えております。各種メディアでも報道されているように、国民の不信感に対して十分な説明責任を果たしていくべきだと考えますし、政治との関わりが、結果として被害の拡大につながることはなかったか検証していくことも必要であると考えます。 また、一連の報道を通しまして、親の宗教により生活上の制約を受けてしまう子どもと言った、いわゆる宗教2世問題など、関連して様々な苦悩を抱える方の実態も明らかになってきております。社会全体として放置し、被害を深刻化させてきたという問題の根深さも明らかになりました。 政府においても、今後、相談体制、被害者救済の強化などに取り組むこととしておりますが、宗教2世問題などに関しては、地方自治体を含め社会全体で問題を認識し、支援等を検討していく必要もあると考えております。 また、内閣の組閣に関する考え方につきましては、「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」とされ、「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。」とされていることから、政教分離の考え方からしますと、国家と宗教は当然切り離されてしかるべきであり、信教の自由の保障、それから民主主義の確立といったことが脅かされることはあってはならないと考えております。 私からは以上でございます。 ◎健康福祉事業部長(百瀬公章君) 私からは、2.新型コロナウイルス感染対策について、2点お答えいたします。 初めに、(1)市内の感染状況と市の対策についてお答えいたします。市内の感染状況につきましては、4月中旬に第6波のピークを迎え、その後は減少傾向に転じたものの、7月に入り、より感染力の強いオミクロン株の変異株であるBA.5系統の広がりにより感染が再拡大となり、8月には過去にないペースで感染が拡大し、お盆明けには100人を超える日が続くなど、感染拡大のピークが見通せない状況となっております。 4月以降の長野県が公表しております市内の陽性者の推移でございますが、4月は584人、5月は295人、6月は219人、7月は614人、8月は29日現在で1,978人であり、4月以降の累計は3,690人となっております。感染の特徴としては、第7波を迎えた7月は子どもから家庭への感染が拡大したため、年代別の陽性者数は10歳未満が最多となり、次いで親の世代となる30歳代、40歳代となっておりました。一方、8月に入りますと、全ての年代で新規陽性者数が増加しており、より感染力の強いBA.5系統ヘの置き換わりが進むとともに、行動制限がない中で夏休みやお盆を迎え、人の動きが活発になったことなどが要因と考えられます。 本市の感染防止対策につきましては、長野県の新型コロナウイルス感染症対応方針に沿い、社会経済活動への影響を最小限とするため、新たな行動制限を設けるのではなく、改めて基本的な感染対策の徹底をお願いするため、広報活動による全市的な周知に加え、保育園・小学校の保護者に対し、教育委員会から注意喚起のメールを一斉に配信するなどの対策を講じたところでございます。 次に、(2)PCR検査、抗原検査などの実施についてお答えいたします。市が実施しております抗原検査キットの配布につきましては、重症化リスクが低く、発熱等の症状がある方に対し、県から配分された抗原検査キットを、市立体育館においてドライブスルー方式により8月18日から配布を始めたものであります。県の対策に協力し、自己検査を促進することで感染拡大に伴う医療機関の負荷軽減を図ったものでありますが、塩筑医師会からの要望もあり、8月26日までとしていた配布期間を9月2日まで延長して行っております。 一方、県が薬局で行っております無料検査につきましては、6月30日に一旦終了しておりましたが、感染が急拡大した7月25日から再開したものでありまして、発熱等の症状がなく、感染に不安を感じている方などに対し実施しているものであります。県全体として、令和3年12月20日から令和4年8月7日までに11万7,739件の検査を実施していると県から伺っております。 新型コロナ感染症に対応しております市内の診療・検査医療機関の状況につきましては、発熱外来のほかに一般診療も行っているため、通常の診療時間内に診療が終了しないケースが多く、診療時間を延長して対応している状況であります。また、スタッフが有症状者等からの電話対応に追われ診療業務に影響が出ているほか、電話がつながりにくい状況が続いていると伺っております。 私からは以上でございます。 ◎企画政策部長高砂進一郎君) 私からは、物価高騰対策の実施についての2点と、マイナンバー制度についてのうち交付税に関わる考え方についてお答えをいたします。 本市では、これまで原油価格や物価の高騰などに直面する市民の皆様の生活を守り、地域経済の活性化を図るため、国の交付金等を積極的に活用するほか、必要に応じて財政調整基金を原資とした財政出動により、市独自の支援など、その時々における最適な対策を展開してまいりました。 最初に実施した令和3年12月の福祉灯油臨時助成事業については、冬期間を迎え、原油価格が高騰していたことから、灯油等の燃料費に係る経済的負担の軽減を図るため、非課税世帯等を対象に1万円を助成したものなどで、計2,093世帯から申請がありました。 また、国がコロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急対策分として拡充した新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金等を活用し、本年6月定例会で議決いただいた補正予算事業の8月24日時点における実施状況については、まず生活に困窮する市民への支援として、国の住民税非課税世帯等臨時特別給付金は、市から確認書を送付し、返信があった世帯から随時給付しており、637世帯に10万円を支給するとともに、市独自の塩尻市生活困窮世帯臨時特別給付金は、プッシュ型給付など4,691世帯に3万円を支給したところであります。 また、子育て世帯への支援として、国制度の子育て世帯生活支援特別給付金については、622世帯の児童1,014人に1人5万円を支給するとともに、市独自の塩尻市子育て世帯生活特別給付金は、国制度の給付金への上乗せ給付として1人3万円を支給いたしました。 学校給食等における食材費などの価格高騰分は、高騰分を市が負担することにより保護者の負担軽減を図るとともに、従前どおりの栄養バランスや量を維持し、児童・生徒の健やかな成長を応援しているところであります。 エネルギー価格等の高騰に伴う事業者支援に関する事業では、市内の介護保険事業所35法人、障害福祉サービス事業所15法人及び民間保育所10法人の負担軽減を図るための支援金の給付が、7月20日から8月19日までの間に全て完了いたしました。 また、地域経済の活性化及び生活者支援を目的としたプレミアム付商品券の発行につきましては、発行総額約18.6億円に対し換金額は約8.5億円で、換金率は約45.5%となっており、物価高騰などに直面する市民の皆様や大きな影響を受けている事業者への経済的支援となっております。 以上申し上げましたとおり、これまでの原油価格の高騰や物価高騰の支援策につきましては、真に支援を必要とする皆様を対象に、市民ニーズに沿った形でスピード感を持って円滑に執行するとともに、臨時交付金などの財源を有効に活用しているところであります。 次に、物価高騰対策のさらなる対策についてお答えします。今後の物価高騰対策につきましては、長引くコロナ禍に加えて原材料価格の高騰、原油高による輸入・物流コストの上昇、急激な円安による輸入コストの上昇などにより、食料品を中心とした再値上げが秋以降に集中するほか、電力需要が高まる冬期間に向けては、市民生活がさらにひっ迫するおそれがあることから、原油価格・物価高騰対策に継続して取り組む必要があるものと考えております。 政府におきましては、本年8月15日に物価高に対応するため物価・賃金・生活総合対策本部を開催し、輸入小麦の価格抑制及びガソリン価格抑制の補助金を延長するほか、地方自治体生活者支援策などに活用されている1兆円の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の増額を含め、追加の物価高対策を9月上旬までに取りまとめることとしております。 本市といたしましては、生活困窮者など、真に困っている方々への支援の強化を最優先に対策を検討してまいりますが、その上で国の物価高対策の動向やコロナの感染状況、地域経済、市民生活の状況などを注視する中で、これまで同様、国の交付金等を最大限に活用するとともに、市独自の財政措置も含め、スピード感を持って適切な対策を積極的に講じてまいりたいと考えています。 次に、マイナンバー制度のうち、カードの交付率を交付税に反映する政府の方針について、市の考え方についてお答えをいたします。政府は、本年6月7日に閣議決定したデジタル田園都市国家構想基本方針で、マイナンバーカードの交付率を普通交付税における地域のデジタル化に係る財政需要の算定に反映することについて、検討すると明記したところであります。このことについて、総務省は、カード取得率の高い自治体はデジタル化に伴う経費も多くなるため、交付税で手当する必要があるとしておりますが、具体的な算定方法などの詳細は示されていないために、本市にどの程度の影響があるのかは不明であり、今後の動向を注視してまいります。 私ども地方自治体としましては、デジタル化に伴う経費も多くなるとする国の考え方には一定の理解はいたしますが、一方で普及が進まないことから対策強化も必要という考え方もあります。あくまで地方交付税の性格は、全ての地方自治体があまねく一定の行政水準を維持し得るよう財源を保障する見地から、国が地方に代わって徴収する地方税であり、地方固有の財源であることを考えると、本制度を用いた政策誘導とも受け止められかねない今回の対応については、国の丁寧な説明が必要であると感じております。 私からは以上です。 ◎市民生活事業部長(大槻正弘君) 私からは、4.マイナンバー制度についてのうち、マイナンバーカードの普及状況と活用状況、マイナンバーカード保険証利用に関わる自己負担額の増額、マイナンバー制度の安全性の3点についてお答えいたします。 初めにマイナンバーカードの普及状況ですが、7月末現在の本市のマイナンバーカードの交付枚数は2万6,256枚で、人口に対するカードの交付率は39.35%となっております。なお、参考までに申し上げますと、長野県全体では39.68%となっております。 これまでの本市の交付率の推移の状況ですが、マイナンバーカードの交付が始まった平成28年1月から令和元年度までの4年間では、各年の交付率の平均上昇率が3.2ポイントであったのに対し、令和2年は6.8ポイント、令和3年では15.3ポイントと、マイナンバーカードの普及が加速してきている状況です。 次に、マイナンバーカードを活用した行政サービスとその利用状況について申し上げます。マイナンバーカードを使った行政サービスの主なものとしては、住民票等のコンビニ交付サービスをはじめ健康保険証としての利用、e-Taxによる所得税の電子申告、スマートフォンによる新型コロナウイルスワクチン接種証明書の発行のほか、国の専用WEBサイトのマイナポータルから自身の医療費や特定健診の情報等の確認があります。 このうち、住民票等のコンビニ交付の利用状況につきましては、直近であります7月の発行総件数4,669件に対しコンビニ交付件数は658件で、交付率は14.1%となっております。なお、コンビニ交付サービスの推進とマイナンバーカードの普及を図るため、コンビニ交付手数料を7月1日から1件当たり50円減額しておりますが、7月のコンビニ交付率は、本年度4月から6月までの3か月の平均交付率が10.3%であったのに対し、3.8ポイント高くなっており、手数料減額の効果が現れているものと考えております。 マイナンバーカード保険証利用につきましては、顔認証付きカードリーダーなどの専用設備を整え、運用を開始している医療機関は、7月末現在、本市では27.2%となっており、参考までに全国では26.1%となっております。 また、スマートフォンによります新型コロナウイルスワクチン接種証明書の発行では、昨年12月20日の発行開始以来、本市では8月29日まで延べ4,787件が発行されております。このほかの行政サービスの利用状況につきましては、市としては把握はしておりません。 今年度、本市の塩尻DX戦略の取組の一環として、住民票等の各種証明書の交付請求にマイナンバーカードを利用した電子申請の導入を予定しているほか、国では令和6年度中に運転免許証との一体化が計画されているなど、マイナンバーカードの利用の機会が一層広がっていくものと考えております。 次に、マイナンバーカード健康保険証として利用した場合に、医療機関での自己負担額が増額となることについてお答えいたします。国では、マイナンバーカード健康保険証として利用した場合、医療機関や薬局が患者の服薬情報や特定健診等の情報と連携できることで、医療サービスの質の向上につながるものとしております。こうした考え方から、マイナンバーカード健康保険証として利用できる医療機関への評価として、本年4月から診療報酬の改定により、診療報酬への加算が設けられました。その結果、患者の負担額が増える形となったものであります。 具体的には、医療費の自己負担額が一般的な3割負担の場合でマイナンバーカード健康保険証として利用した場合、従来の保険証を利用した場合と比べ、初診で12円、再診で12円の負担増となります。また、薬局でも1か月当たり6円の負担増となる状況が生じております。これに関しましては、マイナンバーカードの普及と健康保険証としての利用促進に逆行するものとの指摘もあり、現在、国では加算措置の見直しが検討されていると聞いております。 次に、マイナンバー制度の安全性についてお答えいたします。マイナンバーは、日本に住民票がある人全員に12桁のマイナンバーを割り振り、社会保障と税、災害対策に限定して利用される番号となっております。これらの手続においてマイナンバーカードを届け出る場合は、顔写真付きの証明書等の提示による厳格な本人確認を行うこととされているほか、万が一12桁のマイナンバーを他人に知られた場合であっても不正利用ができないこととなっております。 また、マイナンバーカードは顔写真付きのため、第三者がなりすまして利用することは困難な上に、カードのICチップの電子証明書にはパスワードが設定されており、電子申請や情報の閲覧を不正に行うことはできないこととなっております。 私からは以上です。 ○議長(牧野直樹君) 17番議員の質問を許します。 ◆17番(柴田博君) ありがとうございました。それでは、順を追って再質問させていただきます。 第1.市長の政治姿勢について、(1)旧統一教会問題についてであります。部長から、市としての考え方を答弁をいただいたと考えます。お聞きしたかったのは、この問題についての市長の感想をお聞きしたかったということでありますので、もし市長に感想がありましたら、改めてお聞かせいただきたいと思います。もし、なければ結構です。 ◎市長(小口利幸君) 総論で憂うべき事態と思っております。宗教法人のありようについてはいろいろな議論がありますので、甚だ私自身も勉強不足で軽率な発言をすることは控えたいと思いますが、少なくとも多額の献金等によって家庭内が崩壊してしまった例が具現化されているわけですね。これは何としても避けなければいけない悲劇だったと思っております。その点において煮え切らない現状の関係議員の態度、それは首相にも及ぶわけでございますけれども、これには日々報道を見るにつけ、かなりじくじたる思いを禁じ得ません。 ◆17番(柴田博君) ありがとうございました。それでは、改めてこの問題についてお伺いしたいと思いますが、お願いをしたいと思いますが、旧統一協会と一体の関係にある国際勝共連合という団体があります。反共謀略ビラの配布など、手段を選ばない反共謀略活動を行っている団体だと承知をしています。自民党などの国会議員がこうした反社会的集団の広告塔となり、被害を拡大してきた政治家の責任は極めて大きいと言わなくてはなりません。今後関係を持たないと表明するだけでは済む問題ではないと考えます。 旧統一協会関連団体が開催するイベント、例えばピースロードというようなイベントでありますが、このようなイベントに対し、実行委員会に地元選出の国会議員や地方議員を参加させたり、自治体に後援させるなどして旧統一協会の隠れみのになっていることも明らかになっています。近隣の自治体でも、そういうことが起こっています。今後、地方政治の場でも反社会的カルト集団である旧統一協会との関係が問題になってくるものと考えています。 近隣の自治体でも、後援を撤回するなどの動きも出てきています。本市におきましても、これまでに後援した事実はないか、市の関連団体などが寄付を受けた事実はないかなど、今後調査すべきと考えますが、いかがでしょうか。担当部長の答弁をお願いします。 ◎総務部長(青木正典君) 現状におきましては、旧統一教会と関連する団体につきましての関係は一切ないというのが私どもの認識でございます。当然、寄付行為もございませんし、共催や後援といった事実もございません。ただ、今後はさらにそういった審査については、現状の基準を変えるつもりはありませんけれども、やはり厳しく、より内容をしっかり精査して対応していく必要はあるというふうに考えております。 ◆17番(柴田博君) 今後ともそういう問題が出てくると思いますので、ぜひ精査して間違いのないようにお願いしたいと思います。 第2.新型コロナウイルス感染対策について、(1)市内の感染状況と市の対策について質問いたします。感染状況や感染者の推移についてお答えいただきましたが、市として、人数などについては多分県の発表のとおりでしか分からないというところで、予測される方向として、例えば学校で子どもが感染し、それが家庭に広がったというような想定をされているんだと思いますが、例えばこの8月に入って100人を超えるような感染があったときに、どこでそういう感染が主に起きているのか。学校なのか、それから家庭なのか、それとも飲食店なのか、そのようなところまで市としてつかむことが必要ではないかと思うんですけれども、そのようなことはできないでしょうか。 ◎健康福祉事業部長(百瀬公章君) 現在の感染症法上の取扱いの中では、基本的に指定感染症2類相当ということでありますので、医療機関が保健所に届出をするということでありまして、保健所が疫学調査等を行い、感染動向を把握しているということであります。 その中で、市町村への情報提供については、県が公表している以上のものはございませんので、本来であれば、保健所を設置している自治体であれば、具体的な感染動向等を把握しながら具体的対策を取るということは可能であると思いますけれども、本市においては松本保健所の管轄内ということでありますので、現状のところ県が公表している中で、あとは、市で関わっている小学校と保育園とか、そういうところの情報を総合する中で想定をしていくことが限界ではないかと考えております。 ◆17番(柴田博君) ぜひ、市としてできる範囲でそういうこともつかんでいただければと思います。 それから次に、県から配布された抗原検査キットの関係ですけれども、ドライブスルー方式で配布をしているということですが、その数量はどのくらいなのかということと、その数量については、市からこれくらい欲しいというふうに申し出ていた数量なのか、それとも県からこれだけ配布しますよという数量なのか。その辺についてと、十分今足りているかどうかということについてもお願いします。 ◎健康福祉事業部長(百瀬公章君) 今回の抗原検査キットの配布でありますけれども、県からの配布希望がございまして、それに基づいて県が人口割で、塩尻市には3,000個を配布をしていただいたということであります。8月18日から8月26日までの7日間で945人分を配布しております。ですので、まだ数としては余裕があるというような状況であります。 ◆17番(柴田博君) そうであれば、例えば松本市では県と連携をして、検査キットを高齢者施設や障がい者施設の検査体制を強化するために、希望する施設に無償配布するということをやっているそうであります。そしてまた、PCR検査抗原検査キットで自主検査した施設への費用の全額補助も行っているということであります。本市でも、ドライブスルー方式で配るだけではなくて、そういうふうに施設や何かへ集中的に配布するようなことも考えたほうがいいのではないかと思うわけですが、その辺についてはいかがでしょうか。
    健康福祉事業部長(百瀬公章君) 高齢者施設等の検査につきましては、県が補助金を設けたり、または必要に応じて検査キットを配布しているというような状況を取っております。松本市は保健所を設置しておりますので、松本市が独自で行っているところもあると思います。ただ、本市もこの期間で3,000個の検査キットが配布完了、余ることも想定されますので、その場合は医師会等と相談をしながら、活用については検討していきたいと考えております。 ◆17番(柴田博君) ぜひよろしくお願いします。 次に、第3.物価高騰対策の実施について、(1)実施状況についてであります。細かな答弁をありがとうございました。答弁の中に福祉事業所への応援金というものがあったと思うんですが、これについてはなかなか近隣の自治体でもあんまりやってないところが多くて、近隣の自治体の議員から塩尻市ではこんなことやっているらしいけどどうなの、どんな中身なのというふうに何件も聞かれた経験があります。 そこで、こういうほかではやっていないような事業を塩尻市では初めから国の交付金を活用してやっているわけですけれども、それをやるようになった経過とか、もし何かあれば教えていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。 ◎健康福祉事業部長(百瀬公章君) 今回、介護保険事業所であったりとか障害福祉サービスの事業所につきまして、応援金という形で給付をさせていただきました。これらの事業所につきましては、国が定めています報酬単価によること、また県とか市が指定を受けた定員の範囲内で運営をしているということで、なかなか事業所の努力だけでこの物価高騰に対応することが難しい事業所であるというふうに考えております。 また、今回は地方創生臨時交付金が充てられるなど財源が確保できたこと。加えて、厚生労働省からもこの臨時交付金を活用をして、事業所等への負担軽減のために積極的に活用してほしいという、そういう通知も出されたこともございまして、これらを総合的に判断して実施を決定したものでございます。 ◆17番(柴田博君) ありがとうございます。ぜひそういう方向で、ほかのことについても前向きにお願いしたいと思います。 次に、(2)さらなる対策についてであります。先ほど、青森市や鳥取県の事例を紹介いたしましたが、新潟市では、生活保護世帯を含む住民税非課税世帯を対象に物価高騰対策として1世帯1万5,000円を支給する方針を発表しているといいます。この支援金は、物価高騰の影響に加えて、これからの冬期に向けた灯油購入費等の一部を支援するものだと言っています。 先ほどの答弁にもありましたが、本市でも福祉灯油等の事業を行ってきておりますが、今年もさらに必要になってくるのではないか。あらゆる品目の値上げという状況の中で、昨年、前年度以上にそういう必要性が出てくるのではないかというふうに思います。これからも前向きな取組をいろいろ検討されているようですので、ぜひお願いをしたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。 それでは次に、第4.マイナンバー制度についてであります。(1)本市でのカード普及状況と活用についてということでありますが、カード普及率が39.35%、県が39.68%、ほぼ一緒。全体の国のほうでは40何%ですから、国よりも少ないということですが、本市でカードが進まない原因はどこにあるとお考えでしょうか。 ◎市民生活事業部長(大槻正弘君) ほぼ長野県の平均と同じ状況なんですが、都会といいますか大都市におきましては、やはり中間層といいますか生産年齢人口、働き手のデジタル的なところに強い方が多くを占めているということで、やはり長野県、塩尻市もそうですが、やはり高齢者だとかそういったところの比率も高いというようなところが原因になっているのではないかということで推測をするところでございます。 ◆17番(柴田博君) 私は、国の平均よりも低いから、塩尻市でもっと高くなるようにしろと言いたいわけでありません。その逆です。国が2022年度中に全ての国民に取得をさせようというようなことは、間違いであるというふうに思います。そのカードを取得させるために、いろいろと餌を使ってやるというようなことは問題ではないかなというふうに思っています。 それから次に、マイナンバーカードの保険証としての利用の関係ですが、自己負担3割の人が受診した場合に、現状ではマイナンバーカードを使ったほうが多少高くなる。今後については、それはおかしいということで見直す方向になっているということのようでありますが、どちらにしても、健康保険証を使う種類によって額が異なるというのはおかしな話ではないかなというふうに私は思います。無理やりマイナンバーカードを使わせるために、いろいろとそういう手を使ってくるというのは間違いではないかなというふうに思います。 それから、先ほどの答弁の中で住民票などのコンビニ交付が手数料を安くしたことで交付数が上がったということですが、これもやはり少々違うのではないかなというふうに私は思います。本来もっと多くのお金が1件当たりかかるというふうに聞いておりますし、やはりマイナンバーカードを使わせるためにそのようにするというのは違っているんではないかなと思うわけですが、その辺についてはどうでしょうか。 ◎市民生活事業部長(大槻正弘君) コンビニ交付の場合につきましては、一般の市役所の場合については、市役所の開庁時間でしかそういった証明書等を取れないわけなんですが、コンビニでありますと基本的には365日、6時半から夜の11時までということで、非常に働いている方にとっても利便性よく証明書等が取れるという状況になっております。そういった意味で市民サービスの向上につながっておりますし、市役所につきましても、その分市役所の窓口で取るという件数が減ってきますので、その分人材的なものをほかの業務等に振り分けるといったこともできてきますので、市民にとっても行政にとってもメリットがあるということで捉えております。 ◆17番(柴田博君) 市としての考えはよく分かります。市民にとっても、夜遅くてもそういう交付が受けられるというのはいいことだなというふうに思いますが、だからといって、それを市役所で交付を受ける場合より安くする必要は私はないのではないかなというふうに思っています。これはこの程度にしておきます。 それからもう一つ。マイナンバーカードの保険証としての利用は、先ほど答弁にもあったように、医療機関の中でまだあんまり進んでいない状況だというふうに思います。実際にその話を聞いてみれば、混乱をもたらしているところもあるというふうに思います。 これから先、国が検討していることは、現行の保険証を廃止してマイナ保険証の押しつけ、事実上の強制ということになってくるのではないか。こうなってしまうと、健康情報という極めて重要な個人情報の漏えいやプライバシーの侵害を引き起こす危険も出てきます。 2021年3月から開始されたマイナンバーカードによるオンライン資格確認というのは、医療機関が金銭的、業務的負担を強いられて、被保険者が情報流出やカードの盗難、紛失、プライバシーの侵害のリスクにさらされるなど多くの問題を抱えていると言っています。このような制度は、改めて運用の中止や見直しをすべきだというふうに申し上げておきたいと思います。 次に、(3)カード普及率地方交付税についてであります。答弁をいただきまして、やはり実際に地方交付税という趣旨から考えると、問題もあるのではないかというような答弁だったというふうに思います。ほかの自治体でも、カードの普及と地方交付税を絡めるのは筋違いではないかというような多くの意見も出始めているというふうに聞いています。 そういう意味で、塩尻市もそういうふうに思っていただいてるということで確認はできたわけですが、やはりこれをやらせないために、市としてできることがもしあれば、県や国にこういうことは間違いではないかというようなことをぜひ表明していただきたいと思うんですけれども、その辺についてはどうでしょうか。 ◎企画政策部長高砂進一郎君) 私は、先ほど国の説明が足りないというふうに申し上げましたが、カードの普及率が高い自治体がデジタル経費が余計にかかるという、それで交付税措置をしますというのは、あまりにも上から過ぎる言い方だと思います。そうではなくて、窓口の電子化でありますとか、手続の電子化を地方自治体で進めてくださいと。その分については交付税で何がしか措置をします。住民の皆様の利便性も高まります。その際に、個人認証としてマイナンバーカードを使うことによって普及率が上がります。こういう説明の仕方、あるいは財政措置が私は筋だと思いますので、あらゆる機会を通じて、そのようなことを申し上げていきたいと思います。 ◆17番(柴田博君) ありがとうございました。この議会で、小口市長の下での議会というのは最後になります。私は小口市長とは、24年前に市議会議員の補欠選挙が行われた際に、小口市長と私ともう1人の方と3人が立候補して、小口市長ともう1人の方が当選し私は落選したんですけれども、そのとき以来のお付き合いであります。市長になられて20年間、長い間本当にお疲れさまでございました。本当にありがとうございましたということを申し上げて、全ての質問を終了いたします。 ○議長(牧野直樹君) 以上をもちまして、柴田 博議員の一般質問を終結いたします。 この際、10分間休憩いたします。                              午前10時54分 休憩                            -----------                              午前11時05分 再開 ○議長(牧野直樹君) 休憩を解いて再開いたします。 次に進みます。6番 篠原敏宏さん。 ◆6番(篠原敏宏君) 〔登壇〕 市民派連合の篠原です。議長の御指名をいただきましたので、一般質問を行います。 1.地場産業振興対策と人材育成。 (1)漆器地場産業の深刻な後継者不足について。 地場産業の木曽漆器は、小口市政の中で平成17年の市町村合併の後もワインと並ぶ塩尻市の重要な地域産業と位置づけていただきまして、一貫してその振興・発展に意を尽くしていただいたと理解をしております。合併を含め、それ以前より楢川地区の振興に関わってきた者といたしまして、退任される小口市長には心より感謝を申し上げる次第でございます。その上で、地域産業としては依然として苦境にあり、今後の産地としての育成に大いなる不安を覚えざるを得ない、そういった現実がここにあります。 心配の種は幾つもあるわけでありますが、最も大きいのがこの産業に携わる後継者。とりわけ、直接製造に携わる人材。敬意を込めまして職人と呼ぶ人たちの層が極めて薄くなっているということでございます。言わば地場産業の後継者がいないということでありまして、今回はこの後継者不足とその対策に的を絞って幾つかお聞きをいたします。 まず、現状認識として、指標となります二つの数値についてお聞きをいたします。一つ目は、伝統工芸品産地の規模あるいは力量の目安になります伝統工芸士につきまして、過去と現在の人数の推移が分かりましたら教えていただきたい。 二つ目は若手の従業者数。できましたら、40歳以下の漆器製造に携わる職人の人数の推移について、これもできれば工業統計だとか事業所統計等、公式統計の数値が望ましいと思いますが、過去と現在の推移をお願いしたいと思います。 (2)塩尻・木曽地域地場産業振興センターの機能強化について。 次に、産地に人材育成の現場をつくっていると思われる地場産センターの機能についてお聞きをいたします。こちらも近年、とりわけ新型コロナで観光需要が落ち込む中、昨年のセンターの事業決算報告が今回されておりますが、これを見ますと工芸館事業収益と文化財事業収益が対前年を大幅に伸びており、赤字を続けてきた経常収支がとんとん、黒字まで回復しているということであります。とりわけ要因として大きいのが、文化財事業収益、内容は漆器と文化財修復の売上げでありますが、これが昨年の1,378万円から1億166万円と大幅増を確保したということであります。 昨年の決算では、従来の文化財修復の仕事はもとより、これに加えて伊那市に常圓寺というお寺がありますが、これの納骨堂漆パネルが受注できたということが非常に大きい。当然、収入に対する経費も大きいわけでありますが、経費の中身では外注費が8,000万円近くあると。これは、すなわち産地に落ちる人件費であります。職人の手に渡るお金であります。地場産センターの収益の好転はもとより、産地の人材育成費の財源たる収益がここで得られているということでありまして、常圓寺納骨堂漆パネルのプロジェクトが産地に及ぼす意味だとか影響は絶大なものがあると私は思います。ここでの問題は、恒常的にこういった漆塗りの仕事を取ってくるスタッフが足りていない。漆技術あるいは修復部門、専門のスタッフの雇用が私は早急に必要だと考えておりますが、いかがかお伺いいたします。 (3)地域おこし協力隊員制度の活用を。 旧楢川村時代には、木曽漆器弟子入り奨励金という制度がございました。これを市では実質的な意味において、伝統工芸木曽漆器後継者育成事業奨励金、世帯就業奨励金、こういう形で現在も引き継がれているというふうに認識しておりますが、これは非常にありがたいことであります。 これに加えてですが、私からの今回提案にもなるわけで、お願いでもありますが、産地の人材を外から呼び込む。これが今産地に非常に必要、求められているというふうに思います。これを定着させるために、国の地方創生関連で、現在塩尻市でも採用をしております地域おこし協力隊、この隊員を漆器地場産業に1人でも2人でも採用して、地場産業後継者の育成を図っていただきたいと思うが、これはできませんでしょうか。何か課題、問題点があれば、それをお示しいただきたいなと思います。 (4)長野県の伝統的工芸品産業の振興に関する条例制定のうごき等について。 今、長野県議会におきまして、仮称でありますが、長野県伝統的工芸品産業の振興に関する条例という条例制定の動きがございます。これは塩尻市区選出の丸山大輔議員が提唱をいたしまして、県議会の中で超党派で議員連盟が設立され、議員提案条例として来春の議決を目指し、現在成案を作成中ということだそうでありますが、早ければ今年中にもパブリックコメントが実施されるということであります。これにつきまして、本市がこの動きに連動して主体的、全面的に支援をしていく必要があると私は考えますが、いかがでしょうか。見解をお伺いいたします。 2.JR中央東線辰野塩尻間の存続について。 (1)JR東日本の収支公表と市の対応。 7月28日の報道でありますが、JR東日本は利用実績の少ない地方路線の収支の状況を公表いたしました。すなわち、長野県内で2019年度に1キロメートル当たりの1日平均乗客数が2,000人未満でありました4路線8区間、これの年間収支を公表したということであります。この中に中央東線辰野塩尻間が該当して入っております。それによりますと、収支率、これは営業費用に対する収入の割合でありますが、これが5.6%、トータル5億3,400万円の赤字ということだそうであります。この件に関するJR東日本と市のやり取りは、これまであったかどうかお伺いいたします。また、同様に、JR東海を含めて市内他線区についてそういう情報、動きがあるかどうか、併せて伺います。 (2)市の交通政策における辰野塩尻間の位置づけ。 この問題は、都市部と中山間地域を結ぶコンパクトシティ・プラス・ネットワーク、立地適正化計画でありますが、この計画上重要な問題になると私は思います。本市の計画上ではどのような扱いになっているのか、計画策定の過程で検討の経過はあったのかどうか、これをお伺いいたします。 (3)存続対策について。 この報道、これそのものは、単に一民間会社たる株式会社JR東日本が収支を公開したということでございますが、これは裏に不採算路線はいずれできることならば整理、廃止したいという意向が透けて見える。これはうがった見方でありましょうか。過疎化、高齢化の中で地域住民の生活の根幹に関わる問題であると思います。この問題に関し、地元の地区あるいは住民意向の把握は行われているのかいないのか、お伺いいたします。 新聞報道によりますと、JRはどのような交通手段が適切か、沿線自治体と議論をしたいということであります。具体的な投げかけが市にあったのかどうか。本件に関する市の今後の対応方針はどうか、これをお伺いいたします。 3.新型コロナウイルス対策の現状と課題。 これにつきまして、(1)市内感染の最新の状況と(2)医療逼迫の現状について、これにつきましては、昨日の西條議員、先ほどの柴田議員の質疑のやり取り、答弁で私がお聞きしたかった趣旨の大半がそこに含まれていたというふうに解釈いたしますので、1回目では結構であります。一、二点再質問のところで触れたいと思います。 (3)それぞれの対策について。 ①公の施設の利用許可及びイベント等の中止判断の原則。 総合文化センターだとか支所等の公共施設の会議室だとか体育館、小中学校の社会開放、こういった場面におきまして、規制をかけるとすれば、その原則だとか基準、こういったものがあるかどうか。あるいは主なイベント、催物の開催の状況と中止判断の原則はどのようになっているか、お聞きをいたします。 ②小中学校、保育園の対応。 連日、学級閉鎖の報告がお知らせ緊急メールで入り、心配をしているところであります。この中でこういう場面はどうかということでありますが、同一学級で複数回起きるということがあるかどうか。あった場合、これは特に小学校と中学校は授業日数の確保等が心配をされますが、大丈夫かどうかお聞きをいたします。 次に、③抗原検査キットの配布について。 これにつきましても、先ほどの柴田議員あるいは昨日の西條議員の答弁のやり取りで了解をいたしましたので、答弁は結構であります。 ④感染症の法的分類の変更にむけて。 政府に対する罹患者に関する全ての詳細情報の報告義務手続の実務が非常に過酷だそうであります。これが医療逼迫の原因の一つになっていると言われる。全数把握の方式をやめて、定点調査の方式に変わると言われております。これをどのようにやるかは地方、これは県でありますが、この判断に委ねるということのようでありますが、これによって医療現場では何がどう変わるのか。市への実際の影響の有無があるかないか、これについてお伺いをいたします。 (4)市内ワクチン接種の状況について。 ①4回目接種、若者の接種状況。 60歳代以上と医療関係者が接種対象となっております4回目接種、この現在の状況はどうか。それと若者の接種。特に12歳から18歳、それと5歳から11歳という枠組みが途中で新たに加わったというふうに理解をしますが、それぞれの状況はどうか、お伺いをいたします。 ②5回目接種と2価ワクチンについて。 厚労省の方針として、オミクロン対応の新ワクチン、これを2価ワクチンと言うそうでありますが、これを10月半ばから2回接種を終えた全住民を対象に接種開始という報道がなされておりますが、これまでの接種と変わる点の有無について、どのような部分があるか。特に、国レベルでまだ未確定の部分も多いということでありますが、日にちが決められて、そこに対して市として準備をするということだと思います。市として万端の準備は大丈夫か心配になりますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。 それと、5歳から11歳は今度は努力義務ということが新たに加わるそうであります。これについてはどのように対応されるのか、お伺いいたします。 以上で1回目の質問を終わります。 ○議長(牧野直樹君) 6番議員の質問に対する答弁を求めます。 ◎産業振興事業部長[産業政策・先端産業振興・観光担当](古畑久哉君) 篠原敏宏議員の一般質問にお答えいたします。私からは、1.地場産業振興対策と人材育成の4点についてお答えいたします。 (1)漆器地場産業の深刻な後継者不足について。国指定の伝統的工芸品でもある木曽漆器は、塩尻ワインとともに本市を代表する地場産業として広く市内外に発信されており、本市のブランドとして確立されております。 伝統工芸士でありますが、伝統的工芸品の製造に従事する職人の中から、高度な技術、技法を保持する方を一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会が認定するものであり、木曽漆器の製造に従事する伝統工芸士は、今年の6月時点で26人になります。平成20年の59人と比較すると半数以下になっているというのが現状でございます。 また、将来の木曽漆器産業を担う世代である40歳以下の職人につきましては、産地において、100余りの事業者に対し現在は10人程度という状況であり、こちらも時代の流れとともに減少してきているという状況でございます。 続きまして、(2)塩尻・木曽地域地場産業振興センターの機能強化について。文化財修復等事業につきましては、議員の申したとおり、一般財団法人塩尻・木曽地域地場産業振興センターの事業目的の一つである、生産者の資質の向上や後継者の育成等の人材育成に基づくものであり、併せて財団の収益面を支える事業となっております。 専門職員の配置についてでございますが、現在、文化財修復等事業の営業活動は、専務理事が施設管理や店舗運営業務と併せて行っている状況であります。このような状況に対し、専務理事が文化財修復等事業に専念できる体制を整えるため、昨年度より締結した一般社団法人長野県観光機構との経営改善マネジメント契約の中で、経営改善と並行して別のプロパー職員による店舗マネージャーの育成を進めており、兼務している店舗運営等ほかの業務の負担軽減をする取組を図っているところでございます。 以上のことから、経営改善を進めている現状で新たな職員の雇用は非常に難しい面はございますが、今後、店舗の運営や文化財修復等の事業のさらなる黒字化、安定化を進め、収益性を改善し、必要に応じて営業スタッフを雇用できる資金を捻出することにより、安定的な修復等事業が受注できる体制を構築してまいりたいと考えております。 (3)地域おこし協力隊員制度の活用を。地域おこし協力隊は、都市から地方に住民票を異動し、生活の拠点を移した者を地方公共団体が協力隊員として委嘱、地域ブランドや地場産品の開発、販売、PR等の地域おこしの支援や農林水産業への従事、住民の生活支援など、地域協力活動を行いながら、その地域への定住・定着を図る制度でございます。 木曽漆器の後継者確保及び育成に関し、地域おこし協力隊員制度の活用については、木曽漆器工業協同組合からも要望をいただいており、現在研究をしているところでございます。全国の伝統工芸において、後継者確保としてこの制度を活用している事例は幾つか見られ、研究している中で幾つかの課題等も見えてきております。特に、隊員卒業後に、この木曽漆器の産地に確実に後継者、担い手として根づく仕組みをつくることが必須であるということが見えてまいりました。今後、漆器組合や関係者と調整しながら検討するとともに、木曽漆器に関する支援策全般等の状況を考慮し、判断してまいりたいと思っております。 (4)長野県の伝統的工芸品産業の振興に関する条例の制定のうごき等について。議員御質問の長野県伝統的工芸品の振興に関する条例制定に向けての経緯でございますが、本市の木曽漆器をはじめとする県内28品目の伝統的工芸品産業の振興を図ることを目的に、昨年10月に長野県議会において信州の伝統的工芸品振興議員連盟が発足、本年3月に当条例、仮称にはなりますけれども、制定検討の調査会が設置されました。 この6月の検討調査会において条例骨子の会長案が示されており、条例の基本理念として、伝統的工芸品の価値・魅力の周知をすることによる需要の拡大、伝統的な技術の保存・継承、伝統的工芸品産業の次世代を担う人材の育成などが挙げられており、本年度中の条例制定が進められているところでございます。 本条例の基本理念については、まさしく現在木曽漆器産地が抱える課題の解決への取組や目指すべき方向性が合致しているものであることから、条例化には賛同し、本市といたしましても、引き続き議員連盟の検討状況を注視してまいりたいと考えております。 私からは以上です。 ◎建設事業部長(細井良彦君) 私からは、2.JR中央東線辰野塩尻間の存続についての3点にお答えいたします。 初めに、(1)JR東日本の収支公表と市の対応についてお答えいたします。JR中央東線辰野塩尻間は、塩尻駅から善知鳥トンネル、小野駅、信濃川島駅を経て、辰野町を結ぶ延長18.2キロの路線で、市民生活に必要な公共交通の一つとして重要な役割を担っています。 本年7月28日に、JR東日本から公表されました利用者の少ない地方路線の経営情報につきましては、これまで公表していた駅別の乗車人員や、路線別の平均通過人員などのデータに加え、令和元年度の1日1キロ当たりの平均人員を表す平均通過人員が1日当たり2,000人未満の路線を対象に、収支状況等の経営情報を初めて公表したものであります。 今回の公表に当たってのJR東日本とのやり取りにつきましては、プレス発表前の7月26日にJR東日本長野支社の方が来庁され、公表内容について事前に情報提供をいただいております。今回公表された辰野塩尻間の経営状況につきましては、収支では令和元年度が5億3,400万円の赤字で収支率が5.6%、令和2年度が5億7,400万円の赤字で収支率が2.9%。平均通過人員については、昭和62年度の1日当たり1,824人に対し、令和元年度が547人で70%減、令和2年度が362人、80%減となっております。 なお、JR東海につきましては、既に報道にありますとおり地方路線の収支の公表はしていませんので、市内の状況については、JR東日本が公表した辰野塩尻間のデータのみとなっております。 次に、(2)市の交通政策における辰野塩尻間の位置づけについてお答えします。立地適正化計画や地域公共交通計画の策定時点で、広域移動を軸で支える鉄道に特化した具体的な位置づけはありません。しかし、市の交通政策として考えた場合には、市内にはJR各社の駅が8駅あり、市民の通勤・通学や県外への広域移動に必要な重要な交通連携軸となっていることから、辰野塩尻間においても、市民生活に欠かせない公共交通の一つとして重要な路線であると考えております。 また、現在、県が主体となって県全域を対象区域にした長野県地域公共交通計画の策定を進めており、その中で広域移動を軸で支える鉄道、高速道路等と、市町村内での域内移動を面で支える路線バス、タクシー及びデマンド交通について、軸と面を一体的に機能させるための計画が策定されていますので、今後は県の地域公共交通計画と本市の地域公共交通計画と連携して、あらゆる輸送資源の総動員によりシームレスな公共交通ネットワークを構築し、本市の目指すコンパクト・プラス・ネットワーク型の都市構造を実現してまいりたいと考えております。 次に、(3)存続対策についてお答えいたします。今回、JR東日本が公表した経営情報は、持続可能な交通体系について建設的に議論するためのものであり、赤字路線はすぐにバス転換、廃線ということではないとの説明をいただいております。 また、辰野塩尻間においては、鉄道の安全・安定輸送を確保するため、昨年度から平日の日中の時間帯に、コンクリート製ヘの枕木の交換や線路設備の点検・検査など設備投資が行われ、本年度においても10月25日から令和5年1月13日までの間で38日間保守工事を実施し、次年度以降も同様に保守工事を行っていくとの説明を受けている状況であります。こうしたことから、辰野塩尻間を直ちに廃線とする情報提供はありませんので、現時点では地元意向把握等は行っておりません。 なお、利用者の減少が課題となっている地方鉄道の在り方を議論する国土交通省の有識者検討委員会の提言では、利用者が減少する地方鉄道については、沿線自治体、特に県が中心となり協議会等を設けて、移動手段の検討を利用者や関係者と進めていくことが基本原則とされ、基本原則がうまく機能しない場合には、国の主導で協議会を設置し、対策を検討する仕組みが提言されていますので、今後の対応につきましては、長野県や沿線自治体と連携を図るとともに、国及びJR各社の動きも注視してまいりたいと考えております。 私からは以上です。 ◎生涯学習部長(胡桃慶三君) 私からは、3.新型コロナウイルス対策の現状と課題、(3)それぞれの対策についてのうち、公の施設利用許可についてお答えいたします。 総合文化センター、支所等の会議室、体育館や学校開放施設などの利用につきましては、国・県が発出する新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針に従い、利用規制の判断をすることを原則としております。 国・県から、人との接触機会をできるだけ減らすことなど行動制限に関わる方針が示された場合は、総合文化センター等の会議室、体育館などの新規予約受付の停止、並びに学校開放施設については、児童・生徒の命と健康を第一優先とする観点から使用の停止をいたします。 過日、県は感染が拡大傾向であることを踏まえBA.5対策強化宣言を発出しましたが、強い行動制限を求めておりませんので、各施設の休止等はせず、手指消毒、3密の回避等、基本的な感染予防対策の徹底をお願いする中で、引き続き各施設を御利用いただいております。 私からは以上です。 ◎産業振興事業部長[産業政策・先端産業振興・観光担当](古畑久哉君) 私からは、3.新型コロナウイルス対策の現状と課題、(3)それぞれの対策についてのうち、イベント等の中止判断の原則についてお答えいたします。 イベントの中止判断は、それぞれの主催者である実行委員会で決定していますが、その基準は長野県が発する感染警戒レベルや医療アラートを目安に、まん延防止等重点措置、緊急事態宣言などの発出状況を加味する中で、イベントが屋内なのか屋外なのか、密集を回避できるかどうか、また感染対策がどの程度できるかなどを検討し、総合的に勘案して最終判断をしていると確認しております。 直近の塩尻玄蕃まつりが中止に至った経緯といたしまして、参考までに答弁させていただきますが、参加者である踊り連がセンターラインを隔てて往復した場合、密集を回避することが非常に困難であること、また沿道の観覧者についても十分な間隔を保つスペースが常に確保できないなど、県のイベント開催指針である感染防止対策が行えないということから、苦渋の判断として中止を決定いたしました。 今後のイベントの開催可否等につきましては、これからの感染状況を注視しながら、新たな生活様式を取り入れた開催方法の検討はもちろんのこと、感染防止対策がどこまでできるのかにより、各実行委員会が総合的に判断し決定していくものと考えております。 私からは以上です。 ◎こども教育部長(太田文和君) 私からは、②小中学校、保育園の対応についてお答えいたします。 小中学校における学級閉鎖を行う判断につきましては、新型コロナウイルスに罹患した児童・生徒等が確認された場合、同一の学級において複数の感染が判明した場合や、感染が確認された者が1人であっても、風邪等の症状を有する者が複数いる場合など、それぞれの状況によって対応することとなります。 学級閉鎖の期間につきましては、感染者の最終登校日の翌日から土日祝日を含む5日間を目安として実施するため、授業に影響する実質の閉鎖期間は、2日から3日間となるケースが多くなっております。 また、市内小中学校における年間の登校日数につきましては、1年間のカリキュラムを修了するための授業時間にインフルエンザの流行による学級閉鎖等を考慮し、当初から数十時間の余裕を持った授業日数を計画しておりますので、10日間程度の学級閉鎖等であれば、学習の遅れヘの影響はないものと考えております。 なお、同じ学級で学級閉鎖が複数回行われるなど、授業への影響が心配される場合につきましては、学級閉鎖期間中にタブレット端末を活用した授業の実施や、自宅で取り組むための学習課題を提供するなど、学習の遅れがないように努めてまいります。 私からは以上です。 ◎健康福祉事業部長(百瀬公章君) 私からは、④感染症の法的分類の変更にむけてと(4)市内ワクチン接種の状況についてお答えいたします。 国では新型コロナ感染症の爆発的な感染拡大を受け、医療機関に義務づけられている陽性者全員の発生届について、医療機関及び保健所の負担軽減を図る観点から、陽性者の全数把握を見直すこととしております。報道等によりますと、発熱外来や保健所業務が相当ひっ迫した地域では、当面の間の緊急避難措置として、都道府県の判断で陽性者の届出範囲を高齢者や重症化リスクの高い人などに限定することを可能とし、その後、9月中旬にも全国一律に医療機関による届出の対象を重症化リスクのある人などに限定する方針を示しております。 全数把握が見直された場合の市の影響につきましては、現在は市町村ごとの新規陽性者の人数、性別、年代について毎日県が公表しており、本市の感染状況が把握できる状況となっております。しかし、陽性者の全数把握が行われなくなると、県全体としての感染動向は把握されるものの、市町村ごとの感染状況が公表されなくなるため、市の感染の動向が把握できなくなり、市の感染防止対策を検討する際に影響が出る可能性がございます。 また、国では新型コロナ感染症の感染症法上の位置づけについて、2類相当の運用の見直しを本格化させることとしておりますので、今後の国の動向を注視し、適切に対応してまいりたいと考えております。 次に、(4)市内ワクチン接種の状況について、2点お答えいたします。初めに、①4回目接種、若者の接種状況についてでございますが、6月から始まりました60歳以上と基礎疾患を有する方などを対象とした4回目の接種状況につきましては、8月29日現在において、全体としては1万6,000回を超える接種を行っており、そのうち60歳以上の3回目接種に対する接種率は69.9%となっております。今後の予約状況を含めますと、ワクチン接種事業の終了予定とされている9月末までには、約81%の接種率となる見込みであります。 年代別の2回目接種者に対する3回目の接種率でありますが、12歳から19歳までは62.2%、20歳代から30歳代では66.4%、40歳代では76.9%、50歳代では87.7%、60歳以上では95.8%となっております。また、5歳から11歳までの初回接種の接種率は25.7%となっております。 このように、3回目までの年代別の接種率は、30歳代以下の若い世代の接種率が低い状況となっております。要因としては、若年層は新型コロナ感染症重症化リスクが低いことや、接種後の副反応の影響が大きいものと考えられます。また、オミクロン株対応ワクチンが10月半ば以降に接種が開始されるとの報道があり、その後接種を控える動きが一部に出ております。 次に、②5回目接種と2価ワクチンについてでございますが、8月8日に開催されました厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会において、オミクロン株と従来株の2種類に対応した2価ワクチンの接種について検討されました。しかしながら、対象者、接種間隔、事業実施期間等の詳細については、今後得られるデータや諸外国の動向等を踏まえ、引き続き審議することとなっております。 国からは、初回接種を完了した全員を想定して、本年10月半ば以降から接種が始められる体制の確保が求められております。市としましては、情報が少ない中ではありますが、初回接種完了者約5万5,000人を想定して、接種券の発行などの準備を進めております。なお10月以降は、オミクロン株対応ワクチンと季節性インフルエンザワクチンの接種時期が重なることから、塩筑医師会等と協議する中で、ワクチン接種が円滑に進むよう接種体制の構築に努めてまいります。 また、オミクロン株対応ワクチンは、ファイザー社製とモデルナ社製の2種類となっておりますが、従来のワクチンと取扱いが異なる点もあり、接種方法のオペレーションやワクチンの輸送、保管方法を見直すなどの対応が必要となっております。 次に、5歳から11歳までの小児ワクチン接種につきましては、発症や入院の予防効果について、有効性と安全性に関しての情報が蓄積されたことを受け、9月上旬から小児ワクチン接種に対し、努力義務を適用する見込みとなっております。本市では、小児ワクチン接種の有効性と安全性について分かりやすく発信することで、保護者とお子さんがワクチン接種のメリット・デメリットを一緒に検討していただき、接種を希望する保護者やお子さんが安心して接種できるよう一層努めてまいります。 私からは以上でございます。 ○議長(牧野直樹君) 6番議員の質問を許します。 ◆6番(篠原敏宏君) それでは、質問順に従って再質問をさせていただきます。 まず伝統地場産業の後継者不足ということであります。現状、伝統工芸士がこの十数年で半減、それ以下になってると。これは高齢化していきますし、下から入ってくる者がなければ当然そうなるという帰結であろうかと思います。また、40歳以下の製造就業者も非常に少ない状況ということで、非常に厳しい現実だということであります。これに対して、なすすべなしというわけにはいかないわけでありまして、後継者を育てる仕組の再構築が私は必要ではないかなと思います。 今までは、この産地の中には木曽高等漆芸学院を自前で運営をしたり、あるいは先ほど少し申し上げた弟子入り奨励金等の施策で後継者を確保、育てていくということをしてきているわけです。あともう1点、これは地元の漆器組合から具体的な要望があったとも聞いております。理事長からも直接お聞きをしておりますが、楢川中学校の跡地の利用ということでは、地場産業に関するあるいは工芸に関する学校あるいは専門学校、こういったものをぜひ招致して開校していただきたいという希望が出ていると。みんな同じ動き、要望だとは思いますが、これらについて現在どのような状況、見解がおありかないか、これをお伺いいたします。 ◎産業振興事業部長[産業政策・先端産業振興・観光担当](古畑久哉君) 旧楢川中学校の後利用につきましては、現在庁内で担当課において後利用の案の募集をしている状況でございます。今後につきましては、そこであるかないかも含めてですけれども、ない場合においては民間、及び最終的には地元でどのような希望があるかというようなことも必要になってくると思いますので、現段階ではそのような話になっています。 組合から正式には、議員がおっしゃったようなことの提案はまだ受けておりませんが、ただ、行き会う人々ごとにはそのようなことができたらいいよなというような話を聞いているのは事実でございます。活用の方法としては、個人的には非常に賛同できるものであると思いますけれども、先ほど誘致という話もありましたけれども、その運営自体、どういう方々を集めて、どういうことをやっていくのかとか、誰が主体でやるのかというところも非常に必要な議論になってくると思いますので、そういったものを見定めながら、今後研究してまいりたいと考えております。 私からは以上です。 ◆6番(篠原敏宏君) 分かりました。1点、この木曽高等漆芸学院、現在ありますが、これについても、施設の老朽だとかいろいろな課題が出てきております。ですが、ここは旧来から本当に人材を輩出してまいりました実績があります。産地を支えてきた実務、手に職をつけるということでは、非常に機能してきたというふうに考えております。これがなくなってしまう方向では絶対あってはならない。どのように今後発展していくか、その考え方に立って、ぜひ前向きな検討を市でもいただきたいと。これは要望にさせていただきます。旧中学校については、経過も分かりました。よろしくお願いしたいと思います。 次に、地場産センターの部分であります。職員の増員は困難で、店舗マネージャーを養成していくと。それによって、確かに言われているように、今、漆器あるいは修復事業に関しては、事務局長の専務理事がその役のほとんどを担って活躍しているわけでありますが、その負担を軽減していくと。それはそのとおりかと思いますが、彼についてももう50代半ばということで、今後この仕事を受け継いでいく人材が必要であります。これには、じゃあ定年が来たから、そこで次をすぐに確保できる、あるいは技量が達するということではない。今から彼について、人脈も含め、時間がかかる作業をやって人を育てることが必要でありますので、この事業は先ほど申し上げましたように、成功すれば芽がある。センターの運営にも非常に期するということでありますので、これは要望にさせていただきますが、ぜひスタッフの確保を念頭に置いてやっていただきたい。 理事長が市長であります。施設も無償譲渡で市に引き継がれ、そして大規模改修も行われ、運営は市がかなりを負っているという現実の中では、人事においてもそういう長い目と将来性を見据えて、対応をぜひにお願いをしたいということで、これは要望にさせていただきます。 次に、地域おこし協力隊であります。これについても他の例がないわけではない。問題点、課題がそこでは浮き彫りになっているというお話でありますので、他の例の負の部分は消していくという方向の中で、この塩尻市では、ぜひ確保できるような対応をしていただきたいと。前向きなほうを向いていただきたいと思いますが、可能性はいかがでしょうか。 ◎産業振興事業部長[産業政策・先端産業振興・観光担当](古畑久哉君) 地域おこし協力隊の3年間の隊員の間につきましては、我々の権限が及ぶところですので、ここら辺については幾らでもします。議員がおっしゃっているのは、多分その後、卒業をした後に着実に木曽漆器の継承者及び担い手となるかどうかというところが御質問の趣旨だと思います。そこにつきましては、実は隊員卒業後になりますので、本人の職業選択の自由ですとかいろいろ絡んでまいりますので、実はほかのところでも相当苦慮しているところでございますので、その辺は少し研究をさせていただきたいと思います。 ◆6番(篠原敏宏君) その部分が非常に大事な部分でありまして、実は具体的に私のところに産地の職人の親方クラス、伝統工芸士で指導をするクラスの方から、産地の後継者を私のところでも育てたいが、最初の3年間が実は大事だと。これの生活保障も含めて自分で雇用をしていくというのは、申し訳ないができない。その部分だけ担っていただければ、固有名詞も含めて人材は具体的にいると言っています。もしそれをやっていただければ、4年目からは私は雇用をしますということを言ってくださっている人も実はいます。だとすると、中に市が入って、そういった現状と課題を整理して固有名詞をつなげていくと。そのためにこの制度を活用するということは大いにあり得るのではないかと。漆器組合あるいは地場産センターと併せて、産地のそういった実情の声を聞いて、これは要望にさせていただきますが、ぜひ実現するようにお願いをしたいと思います。 次に、県の伝統的工芸品産業振興条例。これに関して先ほど趣旨には非常に賛同すると。これから県議会の動向を注視してまいりたいという答弁だったと思います。それはありていに言えばそのようなことであろうかと思いますが、ちょっと後ろ向きではないかなと思います。長野県の中では伝統的工芸品産業振興協議会というものがありますが、この中で木曽漆器は飛び抜けて存在感が高い。常に伝統的工芸産業振興協議会をリードしてきた木曽漆器という部分があります。それの所在する塩尻市が、この条例ができたときに、他の市町村に主導して啓発あるいはPRも含めて先頭に立っていくという気概があってもいいのではないかなって思います。 これについて市長にお伺いいたしますが、地場産業の振興を本当に取り組んでいただいた。先ほど申し上げたようにお礼を申し上げますが、地場産の、最後のお願いではありますが、ぜひこの県の中で、市町村の中で市が先頭に立つという気概をどこかで表していただく、これを次の市長に引き継いでいただくことが必要かと思いますが、これについてはいかがでしょうか。 ◎市長(小口利幸君) 非常に難しくて、粘り強い取組が必要であろうかということは、議員と全く同感でございます。県が条例を制定するのはたくさんあるんですけれども、実効性がなかなか担保されてないものがあると私は思っています。それと同じようなものになってしまっては、全く意味がないと私は思いますので、提案しているのが地元の県議会議員であるということも踏まえて、実情をよく知っている地方自治体との連携は極めて大切なことであろうかと承知いたします。 県がどんな形でいくのか見極めながら、より主体的な一自治体として参画していくことは、私どもが木曽漆器を守っていく延長上にあるわけでございますから、必然的にその中心的機能を果たしていくと。これは別に行政だけがやるのではなくて、実態として果たしていく形をつくっていく。その中における地場産センターの役割も、おのずと明確になっていくということではないかと思います。 資本主義社会においては、事業バランスがあってこそ全てのものが成り立っていくわけでありますから、その辺の需給もつくっていくことが極めて大切なことかなと。分かりやすい例で申し上げますと、いわゆる養蚕ですね。これは塩尻、岡谷、近隣を含めて養蚕が盛んであったとき、これがナイロンの出現によってほとんど淘汰された。これも需給バランスのなせる技でありまして、そこから塩尻は知恵を出して、桑畑のような荒れたところでも育つブドウに着目し、これが今のワイン産業につながっているということで、常にないものねだりをするのではなくて、全てにおいて知恵を出し、汗をかき、新たな形も模索していくことが必ず必要であろうと。これは時代のすう勢の摂理であろうかと思いますので、そんなこともにらみながら、大切な芸術品としての位置づけと、また実情としての産業、この両方の観点から、より県と連携を深めていくべきであろうかと承知しております。 ◆6番(篠原敏宏君) 今おっしゃいますように、実効性をいかに確保するかというところに、これは政策の実現、県の条例ができ、そこに基づいた県民に対する啓発も含めた部分でありますが、いかに実効性を確保するかということでは、今、市長の言われるとおりかと思います。ここにおいて、塩尻市が旗を上げるというところに、私は他の市町村とは違う意味、意義があるのではないかなと思いますので、この条例の施行後は、具体的な予算づけも含めて話が出ると思います。これに関しては、ぜひ積極的に取り組んでいただく、これは要望とさせていただきます。 次に、JR東日本の公表に関してであります。経過等は分かりました。やり取りはあったということでありますが、まだそれ以上に具体的に踏み込む部分ではないと。これは私も承知もしておりますが、JR西日本の南小谷以北の部分もそうでありますが、行く行くはバス路線にして、鉄道路線は廃止したいというような意向だとか検討があるというのも聞いています。 最終的には、検討しながら収支に合わない部分は整理をしていく。これは総論としては間違っていませんので、そういうふうにいくことは致し方ないわけですが、市民の足の確保ということの中では、市の計画の太い部分は軸を置いてしっかり確保していくと。これを第一義に置いて当たるべきだと私は思います。 話は今後だと思います。辰野町との連携といった部分も含めて、あるいは市民の声、地域の実情の把握、こういった作業を含めて、想定し得る、そういう場面が来るとするならば、それに備えることを今から想定するということは非常に大事なことではないかなと思います。事が起きてからあたふたするということのないように、ぜひお願いをしたい。現時点ではそういうことだと理解しますので、よろしくお願いいたします。 次に、新型コロナウイルスの関係であります。私が感染の最新の状況と医療ひっ迫についてお聞きしたかったのは、柴田議員のやり取りの中でもあった。同じであります。この中で市に対する情報が、県から報道レベルのものでしか来ていなかったというのは、ショックというか、市として市民に対する啓発も含めて対策をしなくてはいけない。その基礎的な数字や感染者数あるいは重症者数、ベッドの割合、こういった部分は公表できなくても情報は来て、内部では細かに検討されるという部分が必要ではないかなと思いますが、そうではないということですか。 ◎健康福祉事業部長(百瀬公章君) 現在の仕組みでは、基本的にはこの2類相当の感染症については、県では保健所が把握をして対策を講じるということになっておりますので、市が直接関与するということは難しい状況になっております。 ◆6番(篠原敏宏君) 法的な制約だとか現状がそこにあるということもよく分かりましたので、致し方ないわけでありますが、県との情報のやり取りや、そういう部分にそごがないように、ぜひ今後もお願いをしたいと思います。 それと、小学校あるいは保育園の現状が分かりました。二度、三度と同じ学級で出て、それによって麻痺してしまうというようなことがないように。先ほどの部長の御答弁では、それがあっても大丈夫という仕組になってるということでありますので、その部分は大丈夫かと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。 あとイベントの関係であります。イベントのやるやらないについて、私がお聞きしたのは、塩尻の玄蕃まつりは中止になって、松本ぼんぼんだとか、松本市ではOMFが1,900人、満員で大喝采というような報道やら現実があると。市町村によって取り組まれる結果が、見解にもよりますがかなり違いが出ていると。これは致し方ないわけでありますが、イベントが3年も中止をしていると、もうあと継続がかなわないだとかノウハウを忘れてしまう、こういった話も出ております。やはり、これは感染症を見極めての話でありますが、安易にやめてしまうというところに最初の結論を持っていくということでは済まないということで、要望をさせていただきたいと思います。 あとワクチンについても状況、意味がよく分かりましたので、ありがとうございました。 最後に、小口市長におかれましては、5期20年本当に御苦労さまでしたというふうに思います。成果に関しましては、昨日の永田議員の質疑に尽きているなということでありますので触れませんが、私の立場としましては、楢川村との合併を無事軟着陸をしていただいたということ、地域でもこれは感謝をしておりますし、それによって明日に向かってという部分でありますので、これに関しまして、本当に市長のこれまでの政策に関しましてお礼を申し上げまして、一切の私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(牧野直樹君) 以上をもちまして、篠原敏宏議員の一般質問を終結いたします。 この際、午後1時10分まで休憩いたします。                              午後0時05分 休憩                            -----------                              午後1時10分 再開 ○議長(牧野直樹君) それでは、休憩を解いて再開いたします。 次に進みます。12番 山口恵子さん。 ◆12番(山口恵子君) 〔登壇〕 公明党の山口恵子です。御指名をいただきましたので、一般質問をいたします。 1.市長の政治姿勢について。 (1)市長から若者世代へのメッセージ。 小口市長が引退を表明し、今議会が最後となります。これまでの5期20年間にわたり、市政の発展に命がけで取り組んでこられたことと思います。市長は自らの自治体経営をほぼ100点満点と評価されており、市政の発展に確かな足跡を残されてきました。これまでの御尽力をいただきましたことに心から感謝をいたします。 子育て世代に選ばれるまち日本一を政策の柱に掲げ、数々の政策を展開されてきましたが、これからの塩尻市、日本の未来や経済を支える子どもたちや若者たちへ伝えたいことはどのようなことでしょうか。市長として、リーダーシップを取られた経験者からのメッセージをお伺いします。 現代日本の閉塞感、生きづらさを感じている子どもが多い状況などから、若い世代は未来への希望より生活面全てにおいて不安ばかりという雰囲気があるといいます。先日開催された子ども・若者応援シンポジウムで、信州大学教職支援センター准教授の荒井英治郎氏の講演では、子どもの貧困は社会問題であり、塩尻市も例外ではなく、子どもたちは希望を失ったのではなく、夢や希望という価値をまだ知らないとの衝撃的な内容でありました。 市では、子どもの貧困対策推進計画を策定し、基本目標に全ての子どもが生まれた環境によらず、現在と未来に希望を持てるまちを掲げています。着実に実行をしていただきたいと思います。若者支援プランや子どもの貧困対策推進計画に込められた市長の願いはどのようなことでしょうか、お伺いします。 若者世代は政治に関心が持てず、政治への期待感も感じられないという声をよく耳にしますが、これからの市政経営に必要だと思われることにつきましても、御助言をお願いします。 コロナ禍で学校行事や成人式などの出席が制限され、保護者や地域の方、市民が市長のお考えをお聞きする機会が少なくなってしまいました。市長がこれまで貫かれてこられた方針についてお聞かせください。 2.行動経済学「ナッジ理論」の活用について。 ナッジとは、そっと後押しをするの意味で、2017年にノーベル経済学賞を受賞したアメリカの行動経済学者リチャード・セイラー教授が提唱しているものです。個人の選択の自由を残しつつ、ちょっとした伝え方の工夫などにより、人々に賢い選択を促す手法として定義されています。欧米を中心に公共政策への応用が進み、日本の自治体でも導入が広がっています。行政文書や案内文は文字ばかりで読みにくく、内容も分かりにくいと日頃市民の声をお聞きし工夫が必要だと感じています。目的と内容がはっきりしている新しい政策ツールとして、ナッジ理論の活用は有効ですが、対応をお聞きします。 (1)市民税申告書案内チラシの改善と効果について。 税務課で作成された申告者への通知について、これまでの内容を改善しようとした理由は何か。判断したきっかけはどのようなことかお聞きします。具体的な作業手順や改善のポイントについてはどうでしょうか。また、結果と効果についてお聞きします。さらに次の展開、予定についてはどのようにお考えかお伺いします。 (2)健診等の受診率向上に活用する考えは。 ナッジ理論は、健康増進分野でも有効とされ、厚労省では先進事例を紹介しています。特定健診の受診率向上に向けた本市の取組についてお伺いします。特定健診未受診者への対策について、現状の課題と分析はどうか。本年度からのナッジ理論を活用した対策事業について、事業の内容と予算措置について、また結果についての検証の時期をいつ頃と予定されているのかお聞きします。 次に、風疹の感染拡大を防ぐために、風疹の予防接種の機会がなかった世代の男性を対象にクーポン券を送付し、対象世代男性の抗体保有率を90%になるよう事業が行われていますが、困難な状況から令和7年3月まで延長されることになりました。妊娠初期の風疹感染を防ぐためにワクチン接種は効果的で、社会的な感染拡大を防ぐ必要があり、この時期に抗体検査未受診者に対し接種を促していただきたいと思います。そこで、ナッジ理論を活用した取組が有効と考えますので、お考えをお聞きします。 3.保育サービスの充実について。 (1)保育園の使用済みおむつの持ち帰りについて。 今年2月から3月、公立保育園における使用済みおむつの持ち帰り状況に関する全国調査が民間の調査で行われ、使用済みおむつの持ち帰りを実施している保育園が長野県は8割以上と、全国で2番目に多い状況が公表されました。使用済みの紙おむつは、感染対策や衛生管理面からも好ましくないことや、保護者からも要望があります。園で処分するように対応をお願いしたいが、市の見解をお聞きします。 まず、県内の動向や対応状況についてお聞きします。保護者の声や要望、ニーズの把握状況はいかがでしょうか。おむつを使用している園児数、おむつの取扱い方法や保育士の負担感はどうでしょうか。現状についてお聞きします。 4.認知症の人や家族が安心して暮らせるまちづくりについて。 2025年には65歳以上の5人に1人がなるとされる認知症ですが、認知症の人や介護家族の負担感を十分理解し、住み慣れた地域で尊厳が守られ、その人らしい生活が送られるよう、認知症の人と家族を一体的に支援することがとても重要です。個人の問題としてではなく、社会の重要なテーマとして捉え、社会全体で認知症の人とともに生きる共生社会の実現に向けた体制づくりが必要になります。令和元年9月定例会において、徘回の心配のある家族への支援、認知症高齢者向けの損害賠償保険について質問いたしましたが、その後の検討状況についてお聞きします。 (1)徘回時の事故防止と所在把握について。 認知症になっても安全に外出するためには、地域の見守り体制が大切です。御本人は目的があり外出したものの、道が分からなくなってしまうことがあるなどの状況に備え、徘回探索機器の貸出し事業を開始していますが、事業の概要と利用者の状況、人数をお聞きします。 (2)認知症高齢者向けの損害賠償保険について。 認知症により行方不明になるおそれのある人を事前に登録し、併せて認知症の人の事故を補償する民間保険への加入を支援する取組が始まっています。認知症の人が偶発的な事故により他人にけがを負わせたり、他人の財物を壊したり、電車等を運行不能にさせてしまった場合、法律上の損害賠償責任を負った場合に補償をする保険ですが、市としての取組の必要性を感じています。認知症の家族や介護者の意向はどうでしょうか。また、シルバー安全安心カルテの取組の内容と登録者の人数、もしものときに備えた個人賠償責任保険の取組について、お考えをお聞きします。 5.女性に配慮したAEDの使用について。 (1)三角巾を利用したプライバシー保護の方法について。 AEDによる救命効果は、何もしない場合より救命率が4倍高くなることから、2004年7月より一般市民でも使用できるようになりました。電気ショックが1分遅れるごとに救命率は10%ずつ低下すると言われ、救急車が到着する前に一刻も早く救命活動が必要です。 ところが、令和元年京都大学などの研究グループから、AEDの使用率に関し、女性の服を脱がせることへの抵抗感から男女差が大きく生じているとの分析報告がありました。AED財団では、AEDの2枚のパッドを素肌に貼るが、服を全て脱がす必要はなく、下着をずらして貼ることで対応でき、パッドを貼った後で上からタオルや服などをかけ肌を隠すようにしても機能に影響はないとしています。性別に関わらずAEDが適切に使われるよう、環境を整えてほしいと思います。しかし、女性を助けたいと思っても抵抗感のある人はいます。女性でもためらわずに素早い救命活動をお願いしたいと思います。 まず救命が第一でありますが、救急車が到着するまでの間、心臓マッサージを行いますが、余裕があれば三角巾やバスタオルなどの配慮をお願いしたい。AEDに三角巾の配置と分かりやすい表示や啓発についてお考えをお聞きします。 AEDは現在、公共施設や学校に配備されていますが、夜間や休日は使用できず、制約があります。市民が必要な場合にいつでも使用できるよう市内のコンビニに設置し、利便性が図られるよう対策が必要です。市の見解をお伺いします。 以上で1回目の質問を終わります。 ○議長(牧野直樹君) 12番議員の質問に対する答弁を求めます。 ◎市長(小口利幸君) ただいま、議員から非常に難しくて非常に大切な宿題をいただいて、頭の中が正直整理できない状況にございます。議員の期待に応えられるメッセージかどうかは別として、20年間の思いを一部述べさせていただければ幸いに思います。 まず4期目、5期目のマニフェストで、私が「子育てしたくなるまち日本一」を分かりやすい表現として上げさせていただいた背景は、多くの場所でも公言しておりますが、子どもの笑顔が素晴らしいまちに住むお年寄りが不幸であるわけはないと。逆接的な表現でございます。子どもを大切にして、年寄りの福祉を削るつもりなのかという中傷も一時聞こえたことがありましたので、決してそうではないということをまず申し上げます。 それは、私が3人の男の子を育てる過程において、自らが進化してきた。私は、いろんな場所で子育てから始まる親育ちという表現をしております。それはすなわち自らの人生を簡単に言っただけでありまして、いわゆる私も24年間子どもをやりまして、22年間会社員をやりまして、24年間地方自治に携わらせていただいた。3分の1ずつ今まで経験させていただきましたが、その最初の二つのフェーズは、ほとんど地方自治のことなど考えなかった、正直に申しまして。そんなに入りたい世界ではなかったというのが本音でありました。 その中で、さっき言いました子育てから始まる親育ちを具現化したいという思いが徐々に強まってまいりましたのは、今でも多様している言葉でございますが、子どもイコール未来。これも上下をはしょることによって、分かりやすく表現しているだけであります。生まれたときから無限の可能性と無限の権利と無限の幸せの探究義務がある。親は、社会は、それを担保する責任があると。義務と責任のバランスを分かりやすく言えば、そのようになると私は承知しております。 そんな中で、この20年間の間でも、「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。」いうのが子育てに対する、あるいは青少年教育についての行政の果たすべき責任という。私の担当させてもらった20年間の中においても、そのようなことであったかと承知いたしますので、これから未来に続く地球の中、地球の一部である塩尻市の中においても、そのような不定形の対策、関係が続いていくのではないかと承知いたします。 今、議員は信州大学の荒井先生の言葉を借りて、あまり希望が持てないということも一部あるんでしょうが、私も、もう10年くらい前になりますが、信州大学の他の研究室の若者たちと、そのようなテーマを私のほうから投げかけてお話、議論を多少の時間でさせてもらったことがありました。そのときにうれしかったのは、心配しなくてもいいよと、子どもたちが、学生が。みんな、そんなことは全然不安に思っていないと。みんなという表現は彼の表現であって、周りの3人だけだったかもしれませんけれども。それなりの適応力を持って、やはり若者は生きていけるんだなと、そのときに思いました。私たちが育ってきた時代と今は確実に違います。それはさっき申し上げましたように、「かつ消えかつ結びて」ですから、これは仕方ないことと思っております。そんな中で、子どもが伸び伸びと本当に社会の温かさの中で、全ての権利を本能で主張し成長していってほしいと願うのみです。 抽象的ですみませんが、ですから、逆説的に言うと子どもの権利条例とか虐待防止月間とか、好きじゃないです。そんなことは当たり前でしょうと。今さらそこだけ言葉にすると軽過ぎるという分かりやすい表現、ちょっと語弊がある表現かもしれませんが、そう思っておりますので、本当に子どもが権利を主張し、そこに何らかの具体的な実効性のある対策が取れるのであればやるべきでしょうけれども、理念条例で子どもの権利保障と言ったって、全く私はナンセンスだと思っております。ですから、子どもたちは生まれながらにして全ての権利と全ての自由、全ての真価を全て持っているわけですから、それを温かく伸ばしてあげる社会、私たち大人の責任と自らの成長によってそれをフレキシブルに取り入れて、社会を過ごしていく。人間は必ず生まれながらそのような能力を持っているものであると信じておりますので、広い意味で言えば、それが若者たちへのメッセージであります。 成人式の場合には、成人になるともっともっと具体的な権利と義務が必ず生ずるので、権利ばかり主張して義務を果たさない社会人ではいけませんという、多少説教じみたことも言っておりますが、これは当たり前のことでありまして、必然的に社会が子どもを育てていけば、必然的に素直に真っすぐに伸びていく。それが子どもだと思います。 ちょっと観念的過ぎて恐縮でございますけれども、そんなことから、ぜひ本当に、確かに諸外国に比べて賃金が上がらない、これは現実に今の社会でありますけれども、いつもそうではないですよね。これも「かつ消えかつ結びて」だと思います。必ず自分の80年の人生の中ではそんなときもあるし、また、昔のような高度成長社会が日本に来るかどうかは分かりませんけれども、そういうことも期待できないわけではない。そんな中において、全ての能力を発揮していけば、決して若者の未来は悲観的ではないと信じております。 また、先ほどの例にありましたように、多くの若者も、もしかしたらそんなよかった頃の日本の高度成長時代は知らないから、ある側面から見たらネガティブに考えてしまっているのかもしれません。それはやはり、社会がどこかで是正してあげないといけないことだと重々承知しております。 少々話がそれましたが、子育て支援についても、私が昨日、紙おむつの持ち帰り、それぞれがバケツを個別アドレスで用意をして、そこに保育士が入れて、それを間違えてもまたいけないんだよね、これはね。それで持っていくお母さん方もそれは自分のところに確実に持っていって、見るか見ないかは別として、ほとんど見ないで捨てるんでしょうね。そういう時代が今でもあるという認識はあまりございませんで、あまりというか全くありませんでした。それが少なくとも私の知っているこの20年弱の間にもそういうことが変わっているわけですから、今後もどんどんどんどん、いい意味でも悪い意味でも変化していくものだと思います。 少々まとまらない回答で時間を食ってしまってすみませんが、私の今正直に思っている子どもの未来についてお話し申し上げました。 ◎総務部長(青木正典君) 私からは、2.行動経済学「ナッジ理論」の活用についてのうち、(1)市民税申告書案内チラシの改善と効果についてにお答えいたします。 ナッジ理論のナッジとは、先ほど議員の御質問にも御紹介がありましたが、人の好みや意思決定の特徴を踏まえ、背中をそっと押すようなメッセージやデザイン、仕組みや制度によって、ついそうしたくなる心理を刺激することで、代償を用いたり強要したりすることなく、自ら望ましい行為を選択するよう促すことを指します。よりよい市民サービスに向けた取組として、近年注目されている手法の一つであります。 税務課での市県民税申告案内チラシへの導入につきましては、昨年度、横浜市戸塚区が税金の口座振替を促進するに当たりナッジ理論を活用したところ、申込率が大きく増加したという報道があり、これを税務課の職員で共有したことがきっかけとなっております。 例年、申告時期には電話や窓口が大変混雑することから、このナッジ理論の活用により市民サービスの向上を図るとともに、職員の働き方改革の両立が可能になるものと考え、課内での検討を始めました。 具体的な作業手順につきましては、まず日頃、窓口や電話対応をしている職員を中心に、申告の時期に市民の皆様からよくいただく問合せを洗い出し、伝えるべき情報の絞り込みを行いました。中でも、申告をしないとどうなりますかといったお問合せが多かったことから、無申告の場合、国民健康保険税が高額になる可能性があることをチラシに大きく掲載したほか、数字や図形を使って全体が見やすくなるよう工夫を施しました。 その結果として、令和3年度におきましては申告期限内の申告者数が、令和2年度の1,694人と比較して206人増の1,900人、率にして12.2%の増となりました。増加の理由としましては、行政の発出する文書は分かりにくいという御指摘もある中で、このナッジ理論を活用したことにより、本当に必要とする情報が市民の皆様に円滑に伝わったものと分析しております。 なお、本年7月に実施されました全国の自治体職員向けの研修に税務課の職員1名が参加をするとともに、その職員を講師として課内で研修を行い、ナッジ理論のさらなる理解と技能向上にも努めました。今後も、ナッジ理論の活用を促しつつ、市民の皆様にとって分かりやすい文書の提供を心がけてまいります。 私からは以上でございます。 ◎健康福祉事業部長(百瀬公章君) 私からは、(2)健診等の受診率向上に活用する考えはについてお答えいたします。 特定健診の未受診者対策の課題等でございますが、平成20年4月から高齢者の医療の確保に関する法律の施行により、特定健診及び特定保健指導の実施が医療保険者に義務付けられたことにより、国民健康保険加入者に対する特定健診受診率の向上が求められております。 本市では、未受診者対策として直接電話で受診を促すなど様々な受診勧奨に取り組んでおりますが、令和2年度の国保特定健診の受診率は32.5%にとどまっており、コロナ禍の影響はあるものの、労力をかけて行っている受診勧奨が受診率の向上になかなか結びつかないことが課題である考えております。 そのため、受診率向上に向けた新たな取組として、行動経済学の考え方に基づく政策手法であるナッジとAIによる分析を活用した未受診者対策事業として、今年度から民間業者に委託して実施をしております。この事業は、過去5年間の特定健診の受診歴や特定保健指導の状況などをAIによりタイプ別に分類するとともに、ナッジを活用して、そのタイプに応じた最適の受診勧奨通知を送付するものであります。なお、この事業にかかる委託料は510万円余となっておりますが、国保保険者努力支援交付金を活用いたしまして、全額補助対象となっております。 今年度の成果につきましては、まだ評価できる段階ではございませんが、今年度末には結果が出ることとなっておりますので、PDCAサイクルを回しながら特定健診の受診率向上につなげてまいりたいと考えております。 次に、風疹の追加的対策につきましては、風疹の感染拡大を防止するため、平成31年4月から3年間に限り抗体検査等を実施しておりましたが、全国的に抗体検査の実施率が低いこともあり、令和7年3月まで期間が延長されております。 本市の抗体検査実施者数につきましては、令和4年3月末時点において約2,800人となっておりまして、実施率は33%となっております。未実施者に対しましては、6月に改めてクーポン券を送付し、抗体検査の受診勧奨を行ったところであります。 今後、ナッジの効果を検証しながら、風疹の追加的対策に限らず、各種検診などの受診率の向上が期待できるナッジにつきまして、積極的な活用を検討してまいりたいと考えております。 私からは以上です。 ◎こども教育部長(太田文和君) 私からは、3.保育サービスの充実について、(1)保育園の使用済みおむつの持ち帰りについてお答えいたします。 保育園での使用済み紙おむつの処分に関する県内19市の状況につきましては、現在、大町市の公立保育園において、紙おむつの処分を行っている状況にあります。また、松本市では、本年9月から公立保育園において紙おむつの処分を開始するほか、伊那市においても今年度中に紙おむつの持ち帰りを廃止する方針を示すなど、保護者の利便性向上や保育士の負担軽減などを理由に見直しの動きが広がっております。 本市におきましては、本年6月の松本市及び伊那市の見直しに関する報道を受けて、複数の保護者から要望をいただいております。現時点において、アンケートなどによるニーズ把握は行っておりませんが、保護者にとっても利便性が向上することから、潜在的なニーズは多いものと考えております。 また、現在、市内公立保育園においておむつを使用している園児数は372人となっており、3歳未満児の使用が大半を占めております。おむつを使用している園児の保護者は、毎日お迎えの際に園児ごとの専用バケツからおむつを取り出し、翌日の準備として、おむつ補充やゴミ袋の設置などをしていただいております。保育園においては、おむつ交換の都度、園児ごとの専用バケツに入れ間違いのないよう分別しており、保護者、保育士の双方に負担があるものと認識しております。 私からは以上です。 ◎健康福祉事業部長(百瀬公章君) 私からは、4.認知症の人や家族が安心して暮らせるまちづくりについての2点と、5.女性に配慮したAEDの使用についてお答えいたします。 初めに、(1)徘徊時の事故防止と所在把握について、徘徊探索機器の貸出し事業の概要等についてお答えいたします。初めに、徘徊探索機器の貸出し事業の概要についてでございますが、本市では認知症による徘徊行動のある高齢者の介護者に対し、GPSを用いた徘徊探索機器を貸与しております。徘徊行動のある高齢者に携帯していただくことで、徘徊時の所在を明らかにするとともに事故防止を図り、在宅介護を支援することを目的としております。 徘徊探索機器は、かばんやポケットなどに収納して使う携帯型のものと専用の靴に収納して使う靴型の2種類があり、家族が希望する探索機器を貸与しております。徘徊探索機器は、市と契約をした民間事業者の機器を貸与しており、月額利用料の3割を利用者に負担していただき、残りの月額利用料の7割と初期費用及び1万円を上限とする附属品の準備費用を市が負担しております。徘徊探索機器の利用状況につきましては、携帯型が6人、靴型が4人利用している状況でございます。 次に、(2)認知症高齢者向けの損害賠償保険についてお答えいたします。認知症高齢者向けの賠償責任保険につきましては、認知症の高齢者を抱える家族にとって安心・安全を担保するものでありますが、個人で加入をすると掛金が高額になるなどの課題もございます。認知症の家族会からは、市で保険料を補助していただければ心配な家族は加入することができる、あるいは、介護サービスの利用料もあり保険料の支払いは負担に感じる、などの御意見を伺っております。 次に、シルバー安全安心カルテの取組につきましては、塩尻警察署と市内3圏域の地域包括支援センターが共同で実施している事業であります。この事業は、認知症の徘徊症状のため、今後行方不明になるおそれがあると認められる高齢者について、あらかじめ同意が得られた家族から写真や名前、特徴等を記載したシルバー安心安全カルテを提出していただき、その情報を関係機関が共有し、万が一、行方不明事案が発生した際に、捜索に必要な情報を速やかに得ることができ、迅速な対応を目指すものであります。現在、このシルバー安全安心カルテには8人の方が登録をしております。 認知症高齢者を対象とした個人賠償責任保険の加入につきましては、認知症高齢者による事故やトラブルにより家族が賠償責任を問われることや、法定監督義務者がいない認知症高齢者が事故を起こした場合に被害者が救済されない可能性があるなど、認知症であっても本人や家族が安心して暮らせる地域づくりのため、民間の賠償保険に加入する自治体が広がっており、県内では6市町村が加入しております。 個人の賠償責任を行政がどこまで責任を持つかという課題はございますが、本市のいきいき長寿計画の目指す姿に、住み慣れた地域で生き生きと暮らせるまちを掲げており、認知症高齢者を抱える家族の安心・安全を担保するため、賠償責任保険の加入について、行政評価を通し検討してまいりたいと考えております。 次に、5.女性に配慮したAEDの使用について、(1)三角巾を利用したプライバシー保護の方法についてお答えいたします。AEDの女性ヘの使用については、議員御指摘のとおり、パッドを装着する際に女性の服を脱がせることへの抵抗感から、AED使用率に男女差が生じている現状がございます。一方で、女性に配慮したAEDの使用方法については、パッドを素肌に貼る際に服を全て脱がせる必要はなく、下着をずらして対応できること。また、パットを貼った後は、その上から服などをかけて肌を隠すようにしても、AEDの機能には影響がないとされております。 議員御指摘のとおり、最近では女性のプライバシーに配慮して、AEDのケース内に三角巾等を入れている自治体などが増えております。本市では公共施設75施設に80基のAEDを配置しておりますが、女性に配慮し適切にAEDが使用できるよう、AEDのケースに三角巾を入れる方向で検討してまいりたいと考えております。加えて、女性に配慮したAEDの使用方法等について、AEDが配置されているケースにリーフレットを掲示するとともに、ホームページ等を活用して広く周知してまいります。 次に、夜間や休日に使用できるAEDの配置については、コンビニ等にAEDを配置することは有効な手段であると考えますが、設置経費や保守管理など多くの課題もございますので、今後設置している自治体への聞き取りなど、調査研究が必要であると考えております。 なお、AEDを設置している施設公共施設が休日・夜間などで閉まっている際の使用については、原則としては救急救命を最優先し、設置施設のガラス等を割ってでもAEDを使用していただくものと、設置者としては認識をしております。 私からは以上です。 ○議長(牧野直樹君) 12番議員の質問を許します。 ◆12番(山口恵子君) それぞれ御答弁をいただきましたので、それでは再質問いたします。 まず、市長の政治姿勢について、市長から大変重要なお言葉をいただいたと思います。市長自らの経験を市政経営にしっかり展開をさせていただいたんだなということを改めて感じさせていただきました。今回、市長からいただいた御答弁はとても大事なことで、重く深く、そういった精神を今後も行政職員にしっかり受け継がれていくように望みます。無限の可能性を秘めた子どもたち一人一人の幸せを願い、そういった能力、可能性をしっかり伸ばしていきたいということだったかと思います。ありがとうございました。 それでは、行動経済学「ナッジ理論」の活用について、お聞きします。このナッジ理論につきましては、環境美化とか省エネ行動の促進、そして災害時や避難所運営など、そういった場面でも活用がとても有効だというふうにされております。市民サービスの一環として、ぜひ分かりやすいように、判断をしやすいように工夫が必要かと思いますので、今後は、ほかの部署、いろんな事業、いろんなところでも、ぜひ有効性とかまた効果について検討を進めていただければなというふうに思いますが、その点をどのようにお考えでしょうか。 ◎総務部長(青木正典君) 御質問の庁内全体におけるナッジ理論の活用につきましては、先ほどの税務課の事例につきましては、既に全職員が見ることができますグループウェアの掲示板で情報共有をさせていただいております。そこで、希望する複数の職員については、詳細な資料等も提供を行っているところであります。 今後につきましては、先ほど答弁をさせていただいた、全国の自治体職員向けの研修報告も兼ねました全庁的な職員を対象とした勉強会、講習会等の開催も検討するなどしまして、庁内での積極的な情報共有によりまして、他部署におけるいろいろな場面での活用も、市民サービスの向上につなげるために、ぜひ広げていきたいというふうに考えておりますし、その一つ一つにつきましてもしっかり検証をしながら、ほかにどんな活用方法があるかということも含めまして、しっかりと検討をしてまいりたいというふうに考えております。 ◆12番(山口恵子君) それでは、3.保育サービスの充実について、(1)保育園の使用済みおむつの持ち帰りについてお聞きします。昨日の市長の御答弁では、保育園で紙おむつを処分するということで、園での処分について、市長がしっかり理解を示していただいたというふうに認識をいたしました。早めに対応していただけるものと理解をしています。 特に未満児の場合、乳児の場合は、体調や便の状況などを観察しながら離乳食を進めていくことが基本になります。排便などの確認をすることは、保育園でもとても重要であります。子どもの保育と健康観察をすることは保育士の大切な業務でありますので、園での様子で心配なことがあれば保護者に伝えるとか、そういった場合はおむつを保護者に持ち帰っていただくなど対応をお願いしたいと思います。 質問ですが、民間保育施設ではどのような状況なのかお聞きします。やはり塩尻市としての保育サービスでありますので、公立と同様のサービスをしていただくことが重要かと思います。民間で行われているおむつの処分に関しては、費用補助をすることなどが望ましいかなというふうに考えますが、その点についていかがでしょうか。 ◎こども教育部長(太田文和君) 民間保育施設におきます使用済みおむつの処分状況でございますが、現在、市内7施設中、3施設においてそれぞれ施設で処分している状況にあります。このうち二つの施設においては、保護者に処分費用等を負担していただいているという状況です。 紙おむつの処分に関する民間保育施設への対応でございますけれども、どのような支援が望ましいか等、先行する自治体がございますので、そういったところの状況も参考にしながら、今後検討していきたいと思っております。 ◆12番(山口恵子君) それでは紙おむつについて、おむつのサブスクリプション、定額利用サービスについてお聞きします。保育園の送迎時の様子を想像していただきたいと思うんですけれども、お母さん方は荷物が多い上に、未満児の場合は特に抱っこをしたり、また兄弟で通ってる場合は、なおのことお母さん方は手がいっぱいで、その上にお布団、おむつ、着替えなど、またお子さんの荷物などを持って送迎をしているのが現状だと思います。 そのような状況から、手ぶら登園を行っている保育園もあります。それはどのような状況かといいますと、お子さんのお迎えから家に帰って寝るまでの間は、どんなに忙しいお母さんでも、しっかりと子どもさんと向き合う時間を確保するために手ぶら登園を実施しているという園もございます。お母さん方は、家に帰っても食事の準備とか登園のためのいろいろな準備など、なかなか本当にお忙しいわけで、そういったことをぜひ保育サービスの中で実施していくという状況、園が増えてきました。 そこで、塩尻市としましても、紙おむつにつきましては、サブスク利用について保護者の希望がある場合は、利用できるようにニーズ調査などの検討をしていただきたいというふうに思っておりますが、その点についてはどうでしょうか。 ◎こども教育部長(太田文和君) おむつのサブスクリプションでございますが、このサービスは事業者、メーカーに希望する保護者が申し込むことで利用できるサービスとなっております。実際のところ、おむつのメーカーも数社ございまして、それぞれ各家庭で使っているものは全く違うと。そのお子さんのサイズ等々もございますので、どこまでできるかどうかというのは非常に難しい部分もあるかと思うんですが、今後、紙おむつの処分と併せて、どこまでできるかというところも含めて研究をさせていただきたいと思っております。 ◆12番(山口恵子君) それでは、4番、認知症の人や家族が安心して暮らせるまちづくりについてお聞きします。認知症の方、また御家族の方、外出中に道に迷ってしまうおそれのある方に対しては、個人賠償責任保険の加入で支援することは、とても重要な取組だというふうに思います。認知症の人や御家族、介護者に地域社会の理解が図られるよう、また社会全体で温かく見守り支えられるように、そんな塩尻市になるように願っております。国としても、共生社会の実現に向けて、ぜひこのような民間保険の活用について推進をしている状況でありますが、今後、そういった認知症に対しての不安や心配事が少しでも軽減され、地域社会で安心して暮らせるようになっていただきたいと思いますが、そういったことについて、もう一度行政としての決意、覚悟をお聞きできればと思いますのでお願いします。 ◎健康福祉事業部長(百瀬公章君) 国でも、今、議員御指摘のとおり認知症施策推進大綱というものを定めまして、認知症に関する様々な民間保険の推進ということで、自治体での民間保険の加入による政策効果の分析を行う等の方針が示されております。 本市としましても、地域共生社会を目指しての地域づくり等を進めているわけでありますので、認知症に限らず、全ての方が住み慣れた地域で生活をしていける地域社会の構築を今後とも進めていきたいというふうに考えております。 ◆12番(山口恵子君) それでは、5番、女性に配慮したAEDの使用についてお聞きします。(1)三角巾を利用したプライバシー保護の方法についてであります。市内で75施設80基があるということで、そういったAEDが設置されておりますので、有効に、必要なときに利用できるように体制整備をお願いしたいと思います。 それで1点、特に市民からの要望というか心配の声をお聞きしている点が、公共施設は夜間や夜になると閉まってしまうので、ぜひ身近なコンビニなどに設置していただくと非常に安心ですし、ありがたいという声をお聞きしております。他市で実施している状況を見ますと、市町村が整備、またはリースで市町村がコンビニの場所を借りて設置し、コンビニの店員は現場に出向いたりAEDを操作することはないですが、それを住民が必要なときに一刻も早く救命活動するという形で設置をしております。 また、市町村で財政面がとても非常に厳しくて、なかなか整備をしたり、リースすることが厳しいという現状もあります。岐阜県としては、県が整備するための予算2分の1を補助事業として、市町村が購入したり、リースなどをしやすいような体制を取っている自治体もあります。県内の状況を見てみますと、飯山市が2020年に設置をしております。そして2019年は、上伊那広域消防本部としてコンビニに設置をしております。それは事前に協定を結び、24時間いつでも誰でも貸し出し、利用ができるような体制になっております。やはり1分1秒を争う状況でありますので、しっかりと今後そういったような先進地の状況なども把握した上で、検討を進めていただきたいと思います。 特に夜間、現在の学校とか公共施設に設置してあるものを、ガラスを割ってでも入って利用してくださいということでありましたが、なかなか住民はそこまでやる勇気というか、覚悟が持てるのかなというところがとても非常に心配になっております。そういったことを住民に求めるということはちょっと酷かなと思いますので、一刻も早く救命率の向上が図られるように、必要なときにしっかりと使えるような体制を整えていただく必要があると思いますので、もう一度その点についてお聞きします。 ◎健康福祉事業部長(百瀬公章君) 今、議員御指摘のとおり様々な先進事例がございますので、先進地での設置の状況、また課題等も把握をする中で検討してまいりたいというふうに考えております。 また、夜間の使用については、これは基本的な原則的な考え方であります。なので、現実的にこのようにできるかというと、なかなかそれは現実問題としては難しいところもございますので、そこらもそれぞれの施設管理者とも連携をする中で、基本的な夜間等の使用についての基本方針等についても、検討してまいりたいというふうには考えております。 ◆12番(山口恵子君) 国のほうでAEDの適正配置に関するガイドラインというものが公表されておりまして、24時間営業しているコンビニなど、救助者にとって目印となり、利用しやすい施設への設置についてしっかり示されていますので、これらのことも参考にしていただき、安全・安心なまちづくりの推進を要望いたします。 以上で全ての質問を終了いたします。 ○議長(牧野直樹君) 以上をもちまして、山口恵子議員の一般質問を終結いたします。 お諮りいたします。本日の本会議はこれにて延会としたいが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(牧野直樹君) 御異議なしと認めます。よって、本日の本会議はこれにて延会といたします。誠にお疲れさまでした。                              午後2時03分 延会...